1月13日、幕張メッセで開催されている「東京オートサロン2023」でトヨタ自動車がカーボンニュートラル仕様のAE86を発表。そのデザインが人気漫画『頭文字D』(しげの秀一/講談社)の主人公・藤原拓海が乗ったトヨタ・スプリンター・トレノAE86を意識したものになっていたため、「藤原とうふ店」がツイッターのトレンドに入るなど、大きな話題を集めている。
トヨタ自動車が発表したのは、往年の名車「AE86」を改造したBEV車(バッテリ式電気自動車)と、水素エンジン車の2タイプ。ボディは過去のモデルをそのまま使用し、エンジンを最新鋭のカーボンニュートラル仕様に改造したものだ。
■伝説の名車「ハチロク」とは?
AE86(エーイーハチロク)とは、1983年(昭和58年)にトヨタ自動車が発売した4代目カローラレビン/スプリンタートレノの共通車両型式番号。俗に「ハチロク」という通称で知られる。車体が軽く、ハイパワーなエンジンを積んでいることから峠を攻めるドリフト族の間で人気になり、生産終了となった現在では海外でも高値で取引されている車だ。
『頭文字D』に登場した「ハチロク」は白黒のツートンカラーで、車体の横に「藤原とうふ店(自家用)」と書かれていた。今回発表されたトヨタのAE86はそれぞれ漫画と同じ位置に「電気じどう車(実験用)」「水素エンジン(実験用)」と書かれていたため、『頭文字D』のファンの間で話題になったようだ。
人気YouTuberのはじめしゃちょー(29)も、かつて「ハチロク」の後継車に乗っていたことで知られる。
EU圏では、ガソリン車やディーゼル車の新車販売が2035年に禁止になる。日本では2030年までに販売される新車がすべて電動化される予定。このカーボンニュートラル仕様への改造技術が、一般ユーザーへ提供されるかどうかはまだ未知数だが、大切に乗っていた昔の車が、最新の技術で生まれ変わるかもしれない?
YouTubeチャンネル「TOYOTA GAZOO Racing」より