■最大の問題は「配信者とリスナーの関係性」
2022年1月にも埼玉県越谷市のアパートで、男が女性を包丁で刺すなどして殺害するという事件が起こった。
男は女性が住むアパートのベランダに入って待ち伏せ。ベランダに干していた洗濯物を取り込もうとした女性を殺害。動画配信アプリのライバー(配信者)とリスナーとの間で起きた事件だ。
「生配信が一般的になってから約15年が経ちましたが、配信者とリスナーの関係というのはずっと問題としてあるんです。特に若い女性配信者の場合、リスナーの男性が勘違いしてしまうことが少なくありません。
今回の犯人もどういう人物か現時点ではわかりませんが、女性配信者のリスナーだったのではないでしょうか。確定はしていませんが“投げ銭”もしていたと想像されます。こういった事件が起こる最大の要因は、配信者と投げ銭しているリスナーとの関係なんです。
高額な投げ銭をするリスナーほど“自分は特別だ”と勘違いしやすいですからね。そういったリスナーほど“俺が育てた”や“自分が一番の理解者”、さらには“もはや恋人関係”などと勝手に思い込むわけです」
22年1月に起きた事件も犯人の男と被害女性が実際に会ったのは1度だけにもかかわらず、男は「元交際相手」だと証言していた。
「配信者は、配信以外ではリスナーとLINEやDMなどのやりとりをしない、リアルで会わないことがトラブルを避けることにつながるんです。特にリアルで、1対1で会うべきではない。配信者は、リスナーに勘違いさせないよう親密になりすぎない、もっと言えば投げ銭をさせすぎないようコントロールすることも重要なのではないでしょうか。
ただ、今回の被害女性も含めてでしょうが、こういったリスナーの扱いに困っている配信者は昔からたくさんいますね」
こういった事件が2度と起こらないように、と願いたい――。