■第1位は、赤楚衛二『相続探偵』終盤で「いつもの赤楚に……」
1位 “もったいない赤楚衛二”が再び…『相続探偵』コメディ演技で新境地も最終章で思い出す失敗ドラマとの被り
赤楚衛二(30)主演の連続ドラマ『相続探偵』(日本テレビ系/土曜よる9時)の第9話が、3月22日に放送される。コメディタッチが好評だった赤楚の演技だが、最終章に入った物語は復讐劇となり、シリアスタッチに変わってきた。
同ドラマは、原作・西荻弓絵氏、漫画・幾田羊氏による同名コミック(講談社)の実写化。遺産相続専門探偵・灰江七生(はいえ・なお/赤楚)が、相続にまつわる難解な事件を解き明かす痛快ヒューマンミステリー。“前代未聞のニューヒーロー”をうたい、赤楚、桜田ひより(22)、矢本悠馬(34)の3人のかけあいが魅力だったがーー。
15日放送の第8話は、前回、亡き東大名誉教授・薮内晴天(佐野史郎/70)の、7人の隠し子疑惑の真相を暴いた灰江を、20歳の青年・島田正樹(小林虎之/27)が訪ねてくる。母が死の間際、正樹の父が薮内教授だと告白。確たる証拠がないため半信半疑だったが、今回の隠し子騒動を知り、もしかしたらと思ったという。
正樹の手元に残っているのは、ゴルフ場でキャディーをしていた母と、メンバーだった薮内のツーショット写真だけ。遺産目当ての虚言の可能性もあると、令子(桜田)と朝永(矢本)は話を切り上げようとするが、灰江は写真の薮内の穏やかな表情が気になり、正樹のDNAを調べてみると、薮内の実子である可能性が高いことが判明し……という展開。
隠し子問題はすっきりと解決したが、終盤、灰江の養父・灰江和宏(鈴木浩介/50)の裁判に圧力をかけ、判決結果を捻じ曲げたという最高裁判事・地鶏健吾(加藤雅也/61)が、生物学上の灰江の父であることが発覚。灰江はフリージャーナリスト・羽毛田(三浦貴大/39)と手を組み、地鶏への攻撃を始めようとする。
本作は、平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)が5%台の苦戦続きで、配信サービス・TVerのお気に入り登録数も40.5万(20日午後1時現在)と、深夜ドラマレベルに沈んでいる。
また、X上で支持する声は、原作ファンからのものばかり。そこには《漫画は未完で終わったけど、まさかのドラマで先が見れるとは! 新しい形だ! 漫画では晴らせなかった父の無念をドラマで晴らす!》など、原作コミックが掲載誌の休刊によって打ち切りとなったため、オリジナルのラストを期待する声が多い。
物語前半の赤楚のコミカルな演技は新鮮で、メインの桜田と矢本との呼吸もバッチリ。今までにない赤楚を楽しめた。ただ、終盤、実の父と育ての父の問題がメインになってくると、とたんに赤楚演じる灰江が苦悩する姿が増えた。生真面目なタイプが似合う赤楚の苦悩する姿は、それはそれでハマっているのだがーー。
この姿で思い出したのが、全話平均視聴率が4.6%と惨敗した、24年4月期の赤楚主演ドラマ『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)。父の汚名をそそぐため、復讐に立ち上がる男の話だったが、キャラ設定が甘く、ライバルの錦戸亮(40)のほうが人気になるという、不名誉な結果に終わってしまった。苦悩するキャラに加え、今回の『相続探偵』終盤にはストーリーにも既視感がある。
前半は新たな赤楚が楽しめたのに、結局はいつもの赤楚に戻ってしまった感じ。せっかく新境地が好評だったのに、もったいない展開だ。『相続探偵』には原作があるのだから仕方ないのだが、最後までコメディタッチで走りきれば、赤楚はこれまでとは違う評価を手に入れられたかもしれない。
いよいよ物語は最終章。第9話と最終話では、原作コミックでは描かれずに終わっていた、亡き養父の汚名を晴らすための復讐劇が、結末まで描かれるだろう。ここは割り切って、いつもの苦悩しながら復讐に燃える赤楚を楽しむのが、正しいのかもしれない。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。