4月も下旬となり、4月クールの新ドラマが出揃いつつある。すでに2話まで放送されている作品もあるが、ドラマ制作会社関係者は「今期はTBS日曜劇場『キャスター』(よる9時~)の一強状態ですね」と言う――。
阿部寛(60)主演、永野芽郁(25)がヒロインの連続ドラマ『キャスター』は、民放テレビ局「JBN」の報道局を舞台にした社会派エンターテインメント作品。型破りなキャスター・進藤壮一(阿部)が視聴率低迷に悩む報道番組「ニュースゲート」のメインキャスターに就任し、若手社員の総合演出・崎久保華(永野)ら周囲を巻き込みながら真実を追求し、社会の闇を暴いていく物語。27日には第3話の放送が控えている。
「日曜劇場の作品は常に高視聴率を取りますが、今回の『キャスター』は世帯視聴率、個人視聴率、そして現在、テレビ各局が重視しているコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)のいずれもが4月期ドラマのトップを維持している。それも、断トツの三冠王状態ですね」(前同)
『キャスター』の視聴率は、初回(13日)が世帯14.2%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)、個人8.7%、コア4.8%。第2話(20日)は世帯11.7%、個人7.2%、コア3.6%。現在放送中の4月クールドラマで断トツ1位の数字である。
「『キャスター』は永野さん演じる若手社員・崎久保が報道番組の総合演出(制作面のトップ)になるという設定に“いくらなんでも若すぎるだろう”という声があるほか、テレビ局もの、キャスターものとして細かい描写にはツッコミどころが多いですね。バチバチの敵対関係になるのかと思われた進藤(阿部)と崎久保(永野)が共闘する第2話のシーンにもツッコミの声はありましたが……多少のリアリティのなさは気にならないような、強引なまでの面白さがあります。
時事ネタを盛り込みつつ二転三転するダイナミックな展開は面白いし、豪華なキャスト陣で、主演は画面に顔が出てくるだけで説得力がある阿部さん。ちょっと不穏な空気も匂わせつつも、基本は勧善懲悪。王道の“日曜劇場ドラマ”として人気を博しています。
ただ、『キャスター』が盛り上がっている一方で、それ以外の作品は数字的にかなり苦戦してますね。“月9”はまだ悪くはないのですが……」(同)
フジテレビの月9は、小泉今日子(59)と中井貴一(63)がダブル主演する『続・続・最後から二番目の恋』が4月14日から放送されている。
同ドラマは、古都・鎌倉を舞台に、テレビ局プロデューサー・吉野千明(小泉)と、鎌倉市役所で働く公務員・長倉和平(中井)の恋を描いたロマンチック&ホームコメディ。第1弾が2012年1月期に、同年11月にスペシャルドラマ、14年4月期に『続・最後から二番目の恋』が放送され、今回が11年ぶりの新作である。
「初回(14日)の視聴率は、世帯9.4%、個人5.5%という良い数字を出しましたが、コアは1.9%と低かった。主演の小泉さんが還暦間近、中井さんは63歳であるほかメインキャストのほとんどが50歳前後で、内容も“主人公たちが、老後の人生を考える”というもの。最初からコア層ではなく50代オーバーをターゲットにしているような作風だけに、コア視聴者が取れないことは覚悟しているでしょう」(同)