■松浦・沢村一樹は救世主か?

 また、松浦(沢村)がカヲル(ラウール)の髪に触れ、その感触にカヲルが何かを思い出したかのような表情を浮かべたことから、《カヲルがオーナーに頭をくしゃくしゃと撫でられた時の表情、子供の頃にされてフラッシュバックしたような顔してた。社長が逮捕された流れで父親だとわかるのかな》などと、松浦=カヲルの父説を唱える声が出てきた。

 本作には毎回、サブタイトルが付いていて、今回の「校内暴力」に続いて次回は「学級閉鎖」。おそらく、愛子(木村)とカヲルが身動きの取れない状態になるのだろう。一方、予告では川原と副担任・佐倉(味方良介/32)が2人の応援モードに入っていて、ハッピーエンドに向けて動き出しそうな気配がしてきた。

 ハッピーエンドの鍵となるのは、やはり松浦社長だろう。23年前にオーナーとのケンカにスタッフを巻き込み、殺してしまったと明かしており、収監されて姿を消していたのだとしたら、記憶にないカヲルの父である可能性は高い。ただ、それなら成功した松浦にカヲルの母・奈央(りょう/52)が金をたかりそうなのだが、その気配はない。

 そうなると松浦が死なせてしまったスタッフが、カヲルの父親かもしれない。松浦がケンカして殴られ続けボロボロになっていたカヲルを拾ったのは、贖罪の意味だったのかも。また過去の松浦と、オーナーとのケンカの原因“女ができてホストを辞めようとした”というのが、カヲルにかぶる。父親ではないかもしれないが、松浦がカヲルと愛実の救世主になるかもしれない。

 次回予告では、カヲルはホストクラブ「THE JOKER」にホストたちと、次のステージを祈ってビルの屋上で乾杯。愛実は「パパの思うように生きられない」と父・誠治(酒向)に告げる。愛実とカヲルが再会するシーンもあるが、2人は幸せになれるのだろうか。残り2話(全10話)の展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。