軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、世界各国の軍隊が実際に使用する兵器・装備を、独自の現地取材写真とともに解説。リアルな“戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。
■透明なモニタで情報を受け取り“ゲーム”のように戦える戦闘機
ロシアが開発・製造を行っているスホーイSu-30フランカーは、インドではライセンス生産も行うなど世界での販売も好調な戦闘機である。その理由は、そもそもの機体性能が高いうえに、アフリカや中南米の小国でも購入できる低価格という点だろう。だがそれだけでなく、派生型も多く、採用国の防衛戦術にマッチした機体を選べるという利点もベストセラーの秘訣となっている。
ベトナム人民空軍では、2003年にSu-30MK2Vを配備することを決めた。もともとベトナムでは、Su-22やSu-27など、スホーイ系列を空軍戦力として配備しており、Su-30を選定したのも当然の流れだろう。しかし、予算の都合上、複数回に分けて購入する方法を取り、現時点で35機を運用している。16年にはそのうちの1機が墜落し、パイロットが死亡する痛ましい事故も経験した。
Su-30MK2Vの特徴は対空・対艦・対地とマルチに戦えることに尽きる。パイロットが前方から視線を動かさずに、正面の透明なモニタで情報を受け取りながら、まるでゲームのように戦えるヘッドアップディスプレイを採用した機体でもある。
| 【SPEC】 | |
|---|---|
| 乗員 | 2名 |
| 全長 | 21.90m |
| 全高 |
6.30m |
| 翼幅 |
14.70m |
| 最高速力 | マッハ2.3 |
| 航続距離 |
約3,000km |
| 空虚重量 | 約17t |
| 主要武装 |
30mm機関砲×1(固定武装) |
菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。