軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、世界各国の軍隊が実際に使用する兵器・装備を、独自の現地取材写真とともに解説。リアルな“戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。

■共同開発のインドネシア空軍がまさかの支払い拒否で話題に!

 韓国国防科学研究所と韓国航空宇宙産業KAIが一体となり、自国でのステルス戦闘機の開発に成功した。それがKF-21ポラメだ。ポラメとは“若鷹”という意味で、韓国空軍のマークに使われていたり、ソウル市内の公園の名前になっていたりと、韓国ではシンボルとして使われている。早ければ2026年から配備が開始される。

 多数の小型アンテナを平面状に配置した「フェーズドアレイレーダー」の国産化に成功したポラメは、単座型と複座型の2種類が作られ、その機体デザインは極限までステルス性を追求している。

 自国の技術と予算だけでステルス戦闘機を作るのは至難の技であったため、09年にインドネシアが開発予算の20%を出資する共同開発に。22年には初飛行にこぎ着けたが、インドネシアが支払いを拒み、代わりに保有する輸送機で“現物支給”にしたいと異例の申し出があった。韓国はもちろん合意せず、インドネシアにはまだ1機も引き渡されていない。

 なお韓国ではF-35Aの配備が始まっており、そのF-35Aと現在配備中のKF-16の中間を埋める迎撃戦闘機として期待しているようだ。

アジアでは、韓国と中国のみが独自にステルス戦闘機の製造に成功している。複数のUAVを操作し敵機と戦うというこれまでにない空戦を可能としている。※写真/菊池雅之
【SPEC】                  
乗員     1名または2名
全長 16.90m
全高

4.70m

翼幅

11.20m

最高速力 マッハ1.8
航続距離

約2,900km

最大離陸重量 約25t
主要武装

20mmM61A2バルカン砲×1(固定武装)
その他ミサイル各種及びUAV

菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。