軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、世界各国の軍隊が実際に使用する兵器・装備を、独自の現地取材写真とともに解説。リアルな“戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。

■短距離離陸と垂直着陸ができる航空自衛隊の空母艦載戦闘機

 まもなく日本は戦後初となる空母を保有しようとしている。とはいえイチから作るわけではなく、ヘリ搭載型護衛艦「いずも」型の2隻を改造し、戦闘機が運用できるようにするものだ。

 ただ、全長約250mのうち、滑走路として使える甲板は200mもない。そこで選ばれたのが、短距離離陸と垂直着陸ができるF-35Bだった。

 この機種は、米海軍が空母よりも小さい強襲揚陸艦で戦闘機を運用すべく、F-35Aをベースにして開発された。

 機体後部のエンジンノズルを下向きに可動させるとともに、上部にあるハッチを開いてリフトファンを駆動させることによって、機体上下に向け推進力を得る。こうすることで、低速飛行およびホバリングが可能になる。

 現在、航空自衛隊ではF-35Aの配備を進めているが、並行して2025年8月7日から新田原基地(宮崎県)の「臨時F-35B飛行隊」に同機の配備を始めた。

 この部隊は26年3月末に第202飛行隊へと改編され、正式な部隊となる。今はまだ初歩的な訓練を重ねている段階だが、27年頃には、実際に「いずも」型での運用も開始される見込みだ。

F-35B
F-35Bのような戦闘機はSTOVL(Short Take-Off and VerticalLanding)機と呼ばれる。イギリスやイタリアも空母艦載機として運用している。日本は42機を配備する計画だ。 ※写真/菊池雅之
【SPEC】                  
乗員     1名
全長 15.60m
全高

4.36m

翼幅

10.67m

最高速力 マッハ1.6
航続距離

約1,700km

空虚重量 14.65t
主要武装

ミサイル各種

菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。