軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、世界各国の軍隊が実際に使用する兵器・装備を、独自の現地取材写真とともに解説。リアルな“戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。

■米軍が開発したF-35シリーズ初の空母艦載型ステルス戦闘機

 米のロッキード・マーティン社が中心となって開発した統合打撃戦闘機F-35。標準型であるF-35Aは、米空軍をはじめ、世界の多くの国へと配備されていった。航空自衛隊もその一つだ。その後に派生型が誕生。短距離離陸・垂直着陸型がF-35Bで、このF-35Cは空母艦載型だ。

 F-35Cの実戦配備は2019年と新しく、運用しているのは米海軍のみ。米空母「ニミッツ」級並びに「ジェラルド・F・フォード」級で運用されることを念頭に開発され、現在の米海軍主力戦闘機であるF/A-18の後継機として徐々に配備が始まっている。

 F-35Cは、発着艦の際の低速時での揚力の増加と安定性を強化するため、主翼や垂直尾翼がF-35の中で最も大きくなった。機体が大型化したのに伴い、機体内の燃料タンクも必然的に大きくなったことから、搭載燃料が増加し、F-35AやF-35よりも航続距離が伸びた。

 また、狭い甲板での取り回しや艦内格納庫での収容を考えて、主翼が折りたためるようになっており、さらに着艦時の衝撃に耐えるため、前輪を二重にするなど、空母運用を第一に考えた設計となっている。

F-35C
かつてはイギリス空軍もF-35Cを検討したことがあったが、F-35Bを採用。横須賀を母港とする空母「ジョージワシントン」に配備されており、入港中は岩国基地に機体を置いている。 ※写真/菊池雅之
【SPEC】                  
乗員     1名
全長 15.70m
全高

4.48m

翼幅

13.11m

最高速度 マッハ1.6
航続距離

約2,200km

空虚重量 15.78t
主要武装

ミサイル各種

菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。