軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、台湾有事をはじめ、迫り来る極東の脅威と日本、アメリカ、台湾の戦力を徹底比較。独自の現地取材写真とともに解説した“リアルな戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。

■実力伯仲! 性能はほぼ互角もミサイル射程距離で中国が優位

 昨年12月6日、中国海軍空母「遼寧」が、沖縄近海を航行し、艦載機の飛行訓練等を実施。

 これに対し、航空自衛隊は対領空侵犯措置(スクランブル)のため、F-15を差し向けた。これに対しJ-15は、レーダー照射を実施。これは、いつでもミサイルが発射できることを意味する。いわば拳銃の引き金に指をかけている状態であり、2回照射している時点で、「操作の間違い」でないことは明白。威嚇以外の何者でもない。

日本の戦闘機 F-15
F-15(日本・85~100億円) ※写真/菊池雅之

 F-15は、マクドネル・ダグラス社(米)が1970年代に開発した戦闘機で、東西冷戦時代は“世界最強”だった。現在は世界最強の看板は下ろしたものの、今でも“強い戦闘機”であることに変わりはない。

 2基の高性能ターボファンエンジンのパワーは凄まじく、最高速度マッハ2・5で飛行可能だ。初期開発から40年を経ているF-15の実力に遜色がないのは、大きな機体を素早く飛ばすことができるパワーにある。

中国の戦闘機 J-15
J-15(中国・推定90億円) ※写真/中国軍

 対するJ-15は、中国海軍が主力戦闘機として運用する戦闘機。空母での運用を目的に開発され、2009年に初飛行。13年頃から配備が開始されている。

 速度はF-15に負けず、マッハ2・4で飛行可能だ。性能の多くを中国側は非公開としているが、J-15はロシア空軍のSu-33を参考として造られている。だが、その性能はSu-33を凌駕しており、最新のシステムを採用していることは間違いないだろう。

 搭載する長距離空対空ミサイルPL-12の射程は約100kmを誇り、もし先にJ-15がF-15を発見したとするなら、おそらく勝負はF-15が不利になるだろう。

●SPEC比較 F-15J/DJ vs J-15

戦闘機 F-15J/DJ(日本) J-15(中国)
全長 19.4m 22.28m
全幅 13.1m 15.0m
全高 5.6m 5.92m
最大速度 マッハ2.5 マッハ2.4
航続距離 約4,600km 約3,500km
武装 20mm機関砲
空対空ミサイル他
30mm機関砲、空対空
空対艦ミサイル、対地爆弾他
乗員 1名(J型)/2名(DJ型) 1名

菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。