軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、台湾有事をはじめ、迫り来る極東の脅威と日本、アメリカ、台湾の戦力を徹底比較。独自の現地取材写真とともに解説した“リアルな戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。

■パワーの米国と機動力のロシア第5世代戦闘機の実力は伯仲!

 世界の戦闘機は第5世代戦闘機の時代に突入した。もともとは、敵戦闘機をいち早く発見して相手に攻撃の隙を与えずに撃墜するという、1981年にアメリカが立てたコンセプトが、そのまま第5世代戦闘機のコンセプトとなった。重要なのは、敵に発見されないこと。そこでステルス化を追求することになる。

 こうして米空軍でF-22が誕生。97年に初飛行に成功し、2003年より配備を開始。実戦部隊での正式運用は05年からとなった。

F-22A
F-22A(アメリカ・約150億円)※写真/菊池雅之

 これまでの戦闘機と異なり、空対空の戦闘で優位に立つ「航空優勢」という考え方からレベルアップを図り、戦闘空域を完全に掌握して敵を制圧する「航空支配」を目指す、そのために機体の完全ステルス化を成し遂げ、さらにスーパークルーズ(超音速巡航)能力を有している。

 当初、約750機もの配備を計画していたが、1機あたりの価格が150億円を超え、予算を大幅に超過してしまった。米議会は納得せず、費用対効果の面が重要視され、最終的な配備数は約200機(試作機含む)と、かなり減らされた。

 対するロシアは、98年頃から第5世代戦闘機に当たるステルス戦闘機開発をスタート。ミコヤンおよびスホーイの両設計局に開発プランを出させ、最終的にスホーイ案を採用。T-50という名称で計画は進み、10年に初飛行に成功。17年にSu-57となった。こちらもステルス化を追求した機体デザインが特徴的で、機動力の高さが売りだ。価格は1機あたり約70億円。約30機を配備する。

Su-57
Su-57(ロシア・約70億円)※写真/ロシア空軍

 ステルス性は互角であるものの、パワーではF-22、機動力ではSu-57が優位との分析がなされている。

●SPEC比較 F-22A vs Su-57

戦闘機
(第5世代)
F-22A(アメリカ) Su-57(ロシア)
全長 約18m 19.8m
全高 約5m 6.05m
翼幅 約13.5m 14m
最高速度 マッハ2.42 マッハ2.0
巡航速度 マッハ1.82 時速1800km
航続距離 2960 km 3500 km
乗員 1名 1名

菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。