軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、台湾有事をはじめ、迫り来る極東の脅威と日本、アメリカ、台湾の戦力を徹底比較。独自の現地取材写真とともに解説した“リアルな戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。
■高度なネットワークシステムと最高峰のステルス性を持つ両機
中国が第5世代戦闘機として世に送り出したJ(殲)-20は、アジア初の実用化したステルス戦闘機だ。
2010年、中国で撮影された謎の戦闘機の写真が断片的にSNSなどにアップされ、後にそれがJ-20と判明し、大きな話題となる。翌年には初飛行に成功したと中国空軍側が発表し、引き続き16年に中国のズーハイで行われた航空ショーにて初の飛行展示が行われた。
その頃、日本はステルス戦闘機の研究は行ってはいたものの、独自に開発して実用化することは考えておらず、その代わりにアメリカが開発した統合打撃戦闘機F-35Aを購入することを早々に決めた。もともと中国がJ-20を開発した理由は、アメリカが配置するF-22やF-35と対等に戦うためだった。結果的に、中国と日本はライバル機同士を保有することになった。
J-20の特徴は、ステルス性を考慮した機体、それに機首部分にあるカナードと呼ばれる小さい翼と、機体後方にある主翼の組み合わせだ。
一方、F-35Aの特徴は、機体のステルス性がずば抜けて高いことに加え、ネットワークを駆使して仲間とともに戦える能力を持っていること。J-20も高度なネットワークシステムを搭載していることは間違いないが、中国側は情報を公開していない。だが、25年に無人攻撃機とともに飛行する姿を公開し、J-20を母機として、複数の無人攻撃機を運用できることをアピールしてきた。
J-20の配備数は正式配備された17年から確実に増えており、350機程度あるものと思われる。一方日本は、A型とB型合わせて147機のF-35を配備する計画だ。
●SPEC比較 F-35A vs J-20
| ステルス機 | F-35A(日本) | J-20(中国) |
|---|---|---|
| 全長 | 約15.67m | 21.2m |
| 全高 | 約4.39m | 4.69m |
| 翼幅 | 約10.67m | 13.01m |
| 最高速度 | マッハ1.6 | マッハ2 |
| 航続距離 | 2200km | 5500 km (増槽タンク2個付き) |
| 最大速力 | 水上:約12ノット 水中:約20ノット |
水上:12ノット 水中:20ノット |
| 乗員 | 1名 | 1~2名 |
菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。