軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、台湾有事をはじめ、迫り来る極東の脅威と日本、アメリカ、台湾の戦力を徹底比較。独自の現地取材写真とともに解説した“リアルな戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。

■最新鋭のシステムを搭載した戦車 スペック上は両国の実力が伯仲!

 弾道ミサイルだけでなく、北朝鮮は戦車の開発も近年、活発に行っている。最新版戦車は天馬(チョンマ)2だ。2020年に開催の軍事パレードで初公開された天馬2のベースは先軍号だが、これを近代化し、最新システムを導入している。

天馬2(北朝鮮・価格非公開)※写真/朝鮮中央通信

 主砲はロシアのT-72と同じ2A46・125mm滑腔砲を搭載。さらに敵のミサイルや砲弾が接近した際に迎撃するアクティブ防御装置APSを採用した。併せて砲塔周りには西側最新戦車の標準装備である爆発反応装甲ERAを装着。これは敵の砲弾が命中する前にERAが爆発し、砲弾を誘爆させることで車体のダメージを少なくするというもの。今までの北朝鮮軍の戦車とは一線を画すものとなった。

 対する韓国陸軍も戦車の独自開発を続けている。その最新版はK2戦車・黒豹(フクピョ)だ。その歴史は古く、1995年に開発がスタート。2014年から量産型の配備が開始された。

K2(韓国・約12億円)※写真/菊池雅之

 主砲は、国産の120mm滑腔砲CN08を搭載。そしてAPSやERAは当然、標準装。合計410 両が“北進先鋒部隊”こと、第7機動軍団に配備されている。

 性能が高く価格も安いK2戦車は世界で注目されており、ポーランドは最新版のK2PLを1000両も購入することを決めた。さらにトルコはK2戦車をベースに自国でアルタイ戦車を開発した。

 天馬2もさらなる改修が加えられ、天馬20が誕生。スペックだけを比較すると、両戦車はほぼ同等レベル。両軍は飽くなき戦車開発を現在も積極的に行っているだけに、どちらもまだ進化を続けていくだろう。

●SPEC比較 K2 vs 天馬2

戦車  K2(韓国) 天馬2(北朝鮮)
全長 10m 不明
全幅 3.60m 不明
全高 2.50m 不明
重量 55t 不明
乗員 3名 4名
速度 70km/h(整地) 不明
主砲 120mm滑腔砲CN08 2A46・125mm滑腔砲

菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。