軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、台湾有事をはじめ、迫り来る極東の脅威と日本、アメリカ、台湾の戦力を徹底比較。独自の現地取材写真とともに解説した“リアルな戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。
■純日本産のハイテク地上兵器と中国が開発した謎の新型戦車!
アメリカや欧州各国軍は、冷戦期から配備している戦車をベースに新型戦車を開発している流れがある。そんな中、中国はゼロから戦車を作り上げ、配備を始めた模様。その戦車が「100式戦車」だ。2025年9月の軍事パレードに参加し、世界に初めてその存在を知らしめた。
見た目はロシアが新たに配備した「T-14アルマータ」に似ているが、それは同じく無人砲塔を取り入れたから。ロシアは世界に先駆けて砲塔内を無人にして乗員が車体内から操作を行うシステムとしたが、100式戦車も同じく無人砲塔とし、主砲は105mm砲を採用した。砲塔上には、機関銃を車内から遠隔操作で発射できるRWS(Remote Weapon System)が搭載されている。
一方の日本も、今からさかのぼること16年前の2010年にまったく新しい戦車を配備した。それが完全国産の「10式戦車」である。
陸自で初めてネットワークシステムを搭載しており、モニター画面を介して仲間と連携しながら戦うことができる。主砲は120mm滑腔砲を採用。主砲の大きさだけを比べると、10式戦車のほうが打撃力はある。ただし、ネットワークシステムは当然、最新の100式戦車のほうが優れたバージョンを搭載しているに違いなく、10式戦車にはない、敵の砲弾を自動で検知して妨害電波やデコイ(おとり)、防御弾を発射するアクティブ防護システムも取り入れた。
こうしてスペックだけを見ると、武器からシステムまですべて最新の100式戦車に軍配が上がるが、まったく情報公開されておらず、実は見てくればかりで、中身が伴わないのでは……と分析する声も多い。
●SPEC比較 10式戦車 vs 100式戦車
| 戦車 | 10式戦車(日本) | 100式戦車(中国) |
|---|---|---|
| 全長 |
9.42m |
不明 |
| 全幅 | 3.24m | 不明 |
| 全高 | 2.30m | 不明 |
| 重量 | 44t | 約40 t(推定) |
| 速度 | 70km/h | 不明 |
| 武装 |
44口径120mm滑腔砲 7.62mm機関銃 12.7mm重機関銃 |
105mm砲 12.7mm重機関銃(推定) |
| 乗員 | 3名 | 2~3名(推定) |
菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。