軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、台湾有事をはじめ、迫り来る極東の脅威と日本、アメリカ、台湾の戦力を徹底比較。独自の現地取材写真とともに解説した“リアルな戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。
■米が開発した戦闘機を運用する日本とその酷似機を作った中国
中国海軍が新たに配備を開始した最新ステルス戦闘機・J-35。中国では殲-35と表記する同機は現在、海軍型J-35、空軍型のJ-35Aの2種類があり、さらに輸出型のFC-31も存在している。
中国では初の本格ステルス機J-20の配備が2017年から進んでいるが、これに次ぐステルス機として開発され、海軍型のJ-35は2012年に初飛行に成功した。すでに空母「福建」での運用も開始し、その映像は世界中に配信され、大きな話題となる。
今後、海上でJ-35と対峙することになるのが、日本のF-35Bだ。空自では、2018年からF-35Aの運用を開始。それに続き、2025年からF-35Bの配備を開始した。
こちらは、現在改修中の海自護衛艦「いずも」型に搭載されることになる。現在、新田原基地(宮崎県)に配置されている「臨時F-35B飛行隊」は、本格運用の開始とともに「第202飛行隊」としてスタートを切る。
J-35の機体には複合材料が多用されており、胴体と主翼は一体成型で作られている。これに対し、F-35は別々に作られ、最終段階で結合される。また、J-35が双発(エンジン2基)であるのに対し、F-35は単発(エンジン1基)である。
もともとF-35Bは、全長200m程度の強襲揚陸艦にて運用すべく開発された機体で、短距離離陸・垂直着陸STOVL(Short Take Off・Vertical Landing)が可能なモデルである。
機体内に2発の空対空ミサイルを収容できる。J-35も搭載数は不明だが、機内にミサイルを収容できる。
●SPEC比較 F-35B vs J-35
| ステルス機 | F-35B(日本) | J-35(中国) |
|---|---|---|
| 全長 | 15.6m | 17.6m |
| 全幅 | 10.7m | 13.4m |
| 空虚重量 | 14.65t | ― |
| 最大離陸重量 | 27.21t | 35t |
| エンジン | F135PW-600×1 | WS-19×2 |
| 最高速度 |
マッハ1.6 |
マッハ2.2 |
| 主要武装 | ミサイル各種 | ミサイル各種 |
| 乗員 | 1名 | 1名 |
菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。