■ツッコミドラマになりつつあるワケ
「大きな問題点は3つあります。まず、3パート構成で、ドラマの雰囲気がコロコロ切り替わるため、盛り上がりに欠ける点。視聴者の指摘の通り、物語の“境目と起伏”が分かりづらいんですよ。特にレストランパートだけコミカルで、全体から浮いていて、物語に集中できないのも良くないですね」(テレビ誌ライター)
視聴者からは、《蜜谷は勝呂寺とどういう関係? フルネームで名前知ってたのに、なぜそのことを彼に隠してた? それに逃がしたし…屋上に行けっていったけど、あんなに離れた隣のビルに飛び移って逃げられると思ったの?》とのツッコミも。公式サイトで「謎をひもとく伏線は第1話から張られ最終話ですべて回収される」と謳っているわりには、描写が雑で考察しづらいようだ。
「細かいところで、“あれっ?”という描写があるんです。自分の秘密を知りたいからって、逃亡犯が警察に侵入するのは、さすがにリアリティに欠けます。
警察の屋上で誠司(二宮)を取り逃がしたカレン(松本)が、“身体能力がすごくて”と言っていましたが、いかにも誠司が訓練された人間であることを匂わせるセリフで興ざめ。考察ドラマではなくツッコミドラマになりつつあります」(前同)
さらに致命的なのは、物語の「核」が見えてこないことだ。
「今回、身体能力がすごいだけでなく、記憶力が良かったり、天樹勇太という別の名前があることが明かされ、誠司に事情があることを匂わせていますが、それがどこに繋がっていくのか? いまだに物語の核が見えてこないんです。これでは考察する気にはなれないようで、SNSでは二宮を称賛するファンの声ばかりが目立ち、ドラマ考察ファンは過疎状態です」(同)
次回予告によると、第3話では誠司は失った記憶を取り戻そうとし、桔梗は誠司と同一人物らしき天樹の過去を追うようだ。そろそろ、二宮、中谷、大沢、それぞれが演じるパートのピースが組み合う展開を見せないと、視聴者はさらに離れてしまうだろう。