■ロシアスパイが「JR大塚駅」を利用していたワケ

――なぜ、大塚駅を使っていたんですか?

勝丸 大塚駅は、電車が停まるホームが一つだけで、巣鴨行きの外回りと、池袋行きの内回りの電車が同時に発車するタイミングがあるからです。ロシアスパイは、そのタイミングで尾行の隙をついて、瞬時に電車を乗り換えるんです。

――なるほど!

勝丸 他にも、晴海ふ頭の人通りのない場所で尾行を確認したり、銀座のコリドー街の安い居酒屋で密会をするスパイもいました。日本の至る所で、スパイたちとの攻防が繰り広げられています。

――国民の気づかないところで、国防のための戦いが行われているんですね。

勝丸 実は、日本のスパイの実力は世界随一なんです。大きな情報組織や、頼れる法律がない分、監視や追跡技術が研ぎ澄まされました。ただ、一人ひとりの実力が高くても、各国のスパイを相手にするには限界がある。2025年には大阪万博が開催予定です。日韓ワールドカップで起きたテロ未遂事件のようなことを起こさせないため、早く現状を改善してもらいたいです。

※画像は『VIVANT』の公式X(ツイッター)『@TBS_VIVANT』より

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 現実の世界でも『VIVANT』のような水面下での攻防が着実に行われている――。

 

諜・無法地帯 暗躍するスパイたち(実業之日本社)
勝丸円覚(著)、山田敏弘(構成)
2023年11月22日 発売