■人気の理由は「共感できるから」
中へ入ると、まず目に飛び込んでくるのは、日常の中でも“あるある”と頷きたくなる様な、いい人たちの光景を集めたイラストだ。
会場の奥へと進むと、イラストは写真へと変わり、さらにリアルさが増す。
会場内には写真撮影スポットもあり、来場者が展示物の一部となることもできる様な工夫がなされているなど、遊び心も満載だ。
その奥にあるスペースから始まるのは『切ないすぎるよ博物館』だ。こちらも『いい人すぎるよ美術館』同様、日常の中の“切ない”瞬間が切り取られている。
夫婦で来場していた30代の男性は「観光名所に行ったけど、人混みで景色が撮れなかった時」というワンシーンの作品に共感したとのこと。その理由を尋ねると、
「先日、函館に行ったんですけど函館山から見える夜景が、観光客だらけで撮影できませんでした。自分が経験したことが展示されているのを見ると共感してしまいます」
と語ってくれた。
来場者の多くが、日常の中で共感できる情景が飾られた本展示会。電車や街中など公共の場でのいざこざや、著名人に対するSNS上での誹謗中傷が話題になるなど、殺伐としつつある昨今。そんな今だからこそ、来場する人たちが”あるある”と共感したくなる「良い人」を展示する本展示会は、癒しの効果とともに、来場者の暮らしの中に新たな視点を与えてくれるのかもしれない――。