■コンサルタントが話す「焼肉店は暗いほうが良いワケ」
立地やターゲットによって店舗作りが異なるとはどういうことか。
「たとえば、地方のロードサイドにあるような郊外型の焼肉店。こういったお店はさまざまな年齢層のお客さんが来ますから、店内を明るくしたほうが絶対にいいです」(前出の岩崎氏)
しかし、その条件に当てはまらないような焼肉店もあるという。
「東京の赤坂や六本木といった、いわゆるデートスポットや会社員が接待として使用するようなお店です。こうしたお店は明るくしたら絶対にダメです」(前同)
なぜなのだろうか。
「暗いお店で個室が多いと長時間の滞在がしやすくなります。となると、来店するお客さんの客単価も高くなる。1人当たりの予算が、お酒も込みで7000円〜8000円のお店でしょう。立地次第ではありますが、都心の大商圏で繁盛する焼肉店を作ろうと思ったら、暗くて個室が多いお店のほうがいいのです」(同)
また、暗い焼肉店にはメリットがあると岩崎氏は話す。
「焼肉店で蛍光灯などを使うと肉の色がよく分かりますよね。実際に鮮度が悪いかは別として、少し色が悪いと“肉の質が悪そうだ”と勘ぐるお客さんもいるでしょう。店内を暗くしたのは、それが理由ではありませんが、変な勘ぐりを防ぐ意味合いはあるかもしれません」(同)
そう話したうえで岩崎氏はこう結論づける。
「投稿者の方が紹介されたお店がどのような立地の店かは分かりませんが、立地などの前提条件を抜きにして“暗い焼肉店のほうが儲かる”という投稿は"言われてみれば確かに!”という気づきを与えてくれた投稿ともなり、注目されたのではないでしょうか」(同)
やはり、バズるポストには理由があるということのようだ。出店場所によっては焼肉店は暗くしたほうが、お客さんで“ギュウギュウ”詰めになるようだ。
岩崎剛幸
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。著書に『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)
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