■クセになる先の読めなさ
視聴者のX(旧ツイッター)上の反響は、《偽装強盗に商店街の人々が勝手に乗っかっていく、わちゃわちゃ感が懐かしい昭和の匂いがして楽しい》《なんだろうこの不思議な感じ。どっちに行くかわかんない感じがクセになる》《予定調和と真逆の即興劇に立ち会ってる感じがすごく新鮮》などと、トンチキさを評価する声が。
「本作の監督の前田弘二氏は自身のXで、放送までに撮影が間に合ったのは、わずか2話までと明かしており、3話以降はギリギリの撮って出し状態だと思われます。それでは当然、練られた脚本は期待できませんが、アイデアとノリで乗り切っていく感じが、まさに“即興演劇”を見ているようなスリルさがあってクセになります。視聴率は低調ですが、コアなファンがじわじわ増えているようです」(ドラマライター/ヤマカワ)
ギリギリのスケジュールでドラマを作っていることが、思わぬ良い効果を生んでいるようだ。序盤はゆるゆると進んできた本作だが、商店会会長・大村(船越)の息子・光一(伊藤健太郎/26)の登場で、物語が急展開しそうだ。
「昭和の匂いがする商店街を舞台に、ゆるいノリで物語が進むのかと思いきや、日テレの連ドラは約4年ぶりの出演となる、伊藤健太郎がラスボス感たっぷりに登場。圧倒的な存在感で、カオスなドラマ世界が一気に締まりました。今期はウェルメイドな作品が多いなか、この先の読めなさは貴重ですし、好き嫌いはあるかもしれませんが、この春一番の問題作であることは間違いないです」(前同)
考察で盛り上がるドラマが多い今期では、埋もれてしまった感のある本作だが、ためしに一度は見てみたほうがいいかもしれない。