■『その女、ジルバ』でもあった“オバサン化”超ストイック役作り

 前出のテレビ誌編集者が続ける。

「池脇さんは、今回の『アンメット』では顔が以前よりもかなりふっくらとし、苦労をして年齢を重ねたようなビジュアルに。同作の母親役を演じるために役作りをしたのではないでしょうか。深刻な表情で訴えるセリフ回しも当然ですが、ベッドに横たわる娘を心配そうに見つめるセリフがないシーンの演技も目を見張るものがありましたし、物凄い存在感を放っていました。

 視聴者の声にもあるように『その女、ジルバ』(東海テレビ・フジテレビ系)の演技と役作りも高く評価されましたよね」

 2021年1月クール放送の『その女、ジルバ』で池脇は、“しょぼくれたアラフォーOL”と“伝説の高齢ホステス”の1人2役を好演。

 ドラマに先駆けて放送された『クイズ!ドレミファドン!冬ドラマ豪華俳優陣が激突!新春SP』(フジテレビ系)に出演した池脇の姿に《顔がたるんでる》《老けた》という声が寄せられたものの、『ジルバ』の劇中では回を重ねるたびにどんどん美しくなっていくという設定で、意図的な役作りだったということが後に明らかになった。

 事前に顔のケアをすることなく、姿勢も悪くして生活するなどわざと“エイジング”。話が進むにつれ、どんどん綺麗になっていく主人公に合わせて序盤は“オバサン”に映るように調整していた、とドラマ関係者も明かしていたプロフェッショナルな役作りだったのだ。

『ジルバ』の最終回放送時には《若返るんじゃなく今の自分に価値を見いだして魅力的になっていくのが良かった》《不思議としみじみした時間が流れたいいドラマだった》といった声が多数寄せられていた。

 また、映画『モテキ』や『SUNNY 強い気持ち・強い愛』で知られる大根仁監督(55)も《「その女、ジルバ」素晴らしい。池脇千鶴から目が離せない。とにかく中間表情が凄い!このカットで大傑作ドラマ確定》と絶賛するほどだった。

『ジルバ』での演技が高く評価され、池脇は2021年6月には優れたテレビ、ラジオ番組や個人・グループを表彰する「第47回 放送文化基金賞」の番組部門の演技賞に選出され、《うだつの上がらない女性から徐々に変貌して光り輝いていく過程の表現力は驚愕すべきものがあった。この作品のインパクトは彼女の演技力によるところが甚大》と称賛された。

※画像は「カンテレ」の公式X『@kantele』より

「2015年公開の映画『きみはいい子』では2児の母親を演じるため、プロデューサーから“太ってくれ”と言われたというエピソードを披露していました。当時、別の作品の撮影も並行していたにもかかわらず、プロデューサーの要求に応じてしっかりと役作りしていた池脇さんの女優魂にも称賛と驚きの声が上がっていましたね」(前同)

 プロフェッショナルな俳優・池脇は今後も、確かな演技力と“役になりきる”役作りで視聴者を驚かせてくれるに違いない。