気がつけば早くも9月中旬。あと3か月と少しで2024年も終わりとなる。そうなると気になってくるのが、年末の大型音楽特番だろう。

 大晦日の国民的番組『NHK紅白歌合戦』の前日、12月30日に最終審査会及び発表音楽会が開催されるのが『日本レコード大賞』だ。『輝く!日本レコード大賞』(TBS系)として放送されるが、今年は現時点で、大賞候補者に大きな注目が集まっているという。そして、そこには芸能界の勢力争いも絡んできて――。

 レコード会社関係者は言う。

「音楽界では知られたことですが、旧ジャニーズ事務所は『レコード大賞』を“NG”にしていました。これは創業者のジャニー喜多川氏(享年87)の加害問題が影響しているということではなく、昔から言われていた事務所の方針によるもの。

 同事務所は1990年に、所属グループ・忍者が新人賞を受賞したのを最後に“同じ事務所内でアーティスト同士が賞のために競争するのはしのびない”と、以降の出演を辞退しています。しかし、80年代は普通に旧ジャニーズの所属タレントが『レコ大』を受賞していた。そのため、忍者の新人賞を巡るトラブルが本当の理由では……と言われています」

 忍者は1990年の『レコ大』で「最優秀ポップス・新人賞」を受賞したが、旧ジャニーズ事務所としては「ポップス・ロック部門」ではなく、「演歌・歌謡曲部門」(※92年を最後に、2部門制は廃止された)での受賞を希望していたとされる。

「忍者は“演歌を歌うジャニーズ”というコンセプトだった。そのため事務所は『演歌・歌謡曲部門』を希望したのに、それは主催者側の判断で叶わなかったといいます。その結果、旧ジャニーズと『レコ大』の関係が悪くなり、以降、旧ジャニーズは『レコ大』から撤退したと言われているんです。

 実際、それ以降旧ジャニーズが『レコ大』にノミネートされることすらなくなりました。例外として2010年に近藤真彦さん(60/21年4月末退所)が『心 ざんばら』で最優秀歌唱賞、2020年にが新設された『特別栄誉賞』を受賞しましたが、どちらも特殊なケースですからね」(前同)

 近藤は「レコード大賞に育てられた歌手」として、事務所が特例で受賞を受諾したとされた。嵐は20年末の活動休止を目前に、長年に渡る活躍を評価する形での受賞だった。

「そして、旧ジャニーズの新会社STARTO ENTERTAINMENTも、『レコ大』とは距離を置き“NG”を続けるのでは、と見られているんです。会社は変わり経営陣も一新されましたが、旧ジャニーズ出身のスタッフもとても多いですからね……。

 一方で、今年の『レコ大』は、旧ジャニーズと非常に縁が深いグループの受賞が有力視されているんですよね」(同)

 そのグループとは、平野紫耀(27)、岸優太(28)、神宮寺勇太(26)によるNumber_iだ。23年5月に旧ジャニーズのKing&Princeから脱退(岸のみ9月末退所)し、同年10月に「TOBE」――旧ジャニーズで副社長を務めていた滝沢秀明氏(42/22年10月末退所)が立ち上げたエンターテインメント会社で合流したことで知られるグループである。

「Number_iは、今年1月1日にデビュー曲『GOAT』を発表してからというもの、YouTubeのMV再生数やオリコンランキングなど、多くの部門で圧倒的な記録を打ち立てています。

 STARTO社のSnow Manと若者人気を二分していると言えそうなグループですが、旧ジャニーズから引き続きSTARTO社も“『レコ大』NG”なら、Snow Manは“関与”しないわけで、Number_iはかなり有力な候補となってくるでしょうね」(同)