■韓国発の“トッピング文化”がもたらす「新体験」

 ビヨットのようにトッピング付きのヨーグルトは、韓国では数々のメーカーが発売している。

※画像は「鶴橋クラス」の公式インスタグラム『@tsuruhashi_class』より

 これら韓国発の“トッピング”スイーツがいま日本の若年層から注目される理由について、トレンドアナリストの太田まき子氏が分析する。

「韓国発の乳製品を使った進化系スイーツは、トッピングにシリアルやチョコボールなどを添えることで、トロトロとサクサク、酸味と甘さのように、一度で異なる食感や味わいを楽しめます。自分の好きな分量を混ぜて食べられる自由度があるのも魅力です。

 選ぶ楽しさもありつつ、混ぜる楽しさもある。『クリーミーヨーグルトボール』に関しては、自分で冷凍フルーツやジャムを載せるなど、カスタマイズも楽しめます。単純に美味しいだけでなく、エンタメ性をもたせるのがSNSでバズる理由の一つでもあると思います」(太田氏)

 太田氏は、「もともと韓国グルメでは“混ぜる”文化がある」と、食文化の違いに言及する。

「たとえば以前、“パッピンス”という韓国かき氷が日本で流行したことがあります。かき氷の上に小豆やフルーツ、アイスクリームなどが乗ったもので、それらを自分でぐちゃぐちゃに混ぜて食べるんですが、日本のかき氷だと、氷とトッピングを少しずつすくって食べるイメージですよね。

 その他、ご飯でもビビンバはよく混ぜて食べるのが基本です。日本の食では、炊き込みご飯のように最初から具材を混ぜ込んだものが提供されたり、梅干しやふりかけと一緒に食べることはありますが、あまり“自分で全部混ぜてから食べる”ということはしないですよね」(前同)

 日本の食文化に馴染みのない“混ぜる”という行為に、若年層は新鮮さを感じられるのかもしれない。

太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。