■吉本が厳しいコメントを出したワケ

 2019年6月、雨上がり決死隊宮迫博之(54)、カラテカ入江慎也(47)、ロンドンブーツ1号2号田村亮(52)らが中心となった芸人による闇営業問題が勃発。同年7月、宮迫と亮が記者会見を開き、吉本上層部を批判したことも大きな物議を醸した。

「闇営業問題以降、吉本はコンプライアンスを強化。社員に対してもそうですが、現在は所属する全芸人に対して月イチでコンプラ研修を行なっているんです。それこそ人気芸人から無名芸人、重鎮の大ベテランから若手まで、全員が受けないとならない研修だといいます。

 月1の研修が始まったのは昨年秋頃。同年冬にはダウンタウン松本人志さん(61)の女性問題が報じられましたが、その一件とは関係なく、報道の前から研修が行なわれるようになったといいますね」(前出の民放キー局関係者)

 吉本には6000人の芸人が所属しているとされるが、その全員がコンプラ研修を受けているとは驚きだ。

「専門家を招いてのしっかりとした研修だといいます。ZOOMでの参加やアーカイブ動画を視聴するという受講の仕方でもいいそうですが、どういった形でも、必ず研修を受けなければならないわけです。誰が受講したか、まだ受講していないのかもしっかりと管理しているそうですよ。

 そして、その内容は、芸能界の過去の事例を題材にしての、異性とのトラブルや違法薬物のこと、さらには著作権についてなどもあるそうですよ。漫才やコントのパロディ、替え歌などの著作権に触れるようなネタがどういったトラブルを招くのか、といった芸人を多く抱える会社らしい研修内容もあるそうで、一般企業の社員も聞く価値があるような濃い内容だといいますね。

 吉本は、闇営業問題をきっかけに芸人の待遇やギャラの面での改善があったことはよく知られていますが、同時に所属タレントが大きなトラブルに巻き込まれないよう、お金と時間をかけて徹底的にコンプラ面の強化もしてきたわけです」(前同)

 斉藤の契約解除を発表した際、吉本は次の声明を出していた。

《弊社といたしましては、所属タレントに対し、研修等を通じて、吉本興業グループ行動憲章の遵守や時代に寄り添う意識の重要性を説いていた最中にこのような事態に至ったことは誠に遺憾であり、弊社としても大変重く受け止めております》

「昔の芸人は破天荒であることが歓迎され、吉本も“面白ければなんでもあり”というような社風のイメージもありましたが、闇営業問題を機に様変わりしたんです。結果、芸能界でもトップクラスのコンプラ遵守企業になったと。そんな吉本ですから、今回の斉藤さんの件は看過することができなかったと。それは同社が出したコメントからもうかがえますよね。

 斉藤さんへの措置を、無期限の活動休止のような“大目に見る”ようなことにしてしまうと、これまで会社をあげてやってきたことと矛盾してしまう。筋が通らないと。そういった理由もあり、斉藤さんはすぐにクビを切られることになったと言われていますね。そして今後、彼が、吉本に戻ることもないだろう、とも関係者の間では話されています」(同)

 月1回のコンプラ研修を受けていながら、なぜ斉藤はロケバスでの行為に及んでしまったのだろうか……。