■大森は今夏に特撮作品で名演技を披露

 大森は今年8月4日、東映の動画サービス『東映特撮ファンクラブ(TTFC)』で配信されたドラマ『忍者戦隊カクレンジャー  第三部・中年奮闘編』に、重要なポジションで出演。これが大森の本格的なドラマデビュー作でもあった。

『忍者戦隊カクレンジャー』(1994年)は、忍者と妖怪の戦いをアメコミ要素を盛り込みつつ描いた物語。大森は、本編から30年後を舞台とした『中年奮闘編』で広瀬仁美(44)演じる“鶴姫/ニンジャホワイト”が運営している児童養護施設出身の青年・吾郎を演じた。

 この作品を知るファンからは、今回の大森の映画主演発表にも、《カクレンジャーでその片鱗を見せていた大森さんが本格的な映画デビュー、楽しみで仕方ありません》と、好意的な声が寄せられている。

【以下、『忍者戦隊カクレンジャー』「中年奮闘編」のネタバレを含みます】

 青年・吾郎(大森)の正体は、遠藤憲一(63)演じる悪の妖怪“貴公子ジュニア/ガシャドクロ”と人間の間に生まれた半妖。悪意や憎しみに触れなければ普通の人間として生きられるはずだったが、彼に目を付けた勢力“新時代妖怪”の策略により、“新時代妖怪大魔王・サンモトゴロウザエモン”として覚醒し、暴走してしまう。カクレンジャーは、彼を救えるのか――というのが、『中年奮闘編』の主な内容だった。

 大森には、平和な日常を生きる場面、自分の出自に疑問を抱いて育ての親であるカクレンジャーの胸ぐらをつかみ「妖怪大魔王って誰だよ!?」と取り乱してしまう場面、新時代妖怪によって暴走させられる場面など、多くの見せ場があった。

 本当の父親であるジュニア(遠藤)との、涙なしでは見られない親子愛の場面もあり、いわゆる“泣きの演技”も抜群。そして、初挑戦だったという激しいアクションシーンも、見事な大立ち回りだった。

 大森が『カクレンジャー』で見せた演技力には、

《大森さん細かいニュアンス演技にのせるの上手すぎやしませんか、、》
《表情筋の運動神経がいい大森さんの演技が見れて最高だった!》
《大森さん苦しんだり声を荒げたりする演技が多くて絶対難しかったと思うのに…めちゃくちゃお上手で素晴らしかった》

 といった称賛の声が多く寄せられている。

 25年4月公開の大森の映画デビュー作『#真相をお話しします』に関して、監督を務める豊島圭介氏は大森の演技をこう評している。

《今回、はじめて映画出演をする大森元貴くんには舌を巻きました。演技について熱く議論ができるし、様々なアイディアをいくつも提案してくれる。しかも芝居はナチュラルさと狂気が共存している。「あんたはベテラン個性派俳優か!」となんどか突っ込みかけました》

『カクレンジャー』の30周年記念作という、特撮ファンからのハードルも高かった作品での名演技を経て、今度は映画の主演――福山雅治(55)や吉川晃司(59)など歌手と俳優の両方で成功している芸能人は多いが、大森もそうなりそうだ。

特撮ライター・トシ 
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受ける。その後、歳を重ねても熱量は衰えず『クウガ』から始まる平成仮面ライダーシリーズと現在も歴史が続く令和ライダーはすべて履修し、『スーパー戦隊シリーズ』、平成以降の『ウルトラ』シリーズも制覇済み。『仮面ライダーゴースト』の主人公の決め台詞でもある「俺は俺を信じる!」を座右の銘に仕事に全力全開。