“迷惑行為”をSNSに投稿し、注目を集めて喜ぶ行為はしばしば話題になるが、最近、猛批判の対象になっていたのは、コンビニの棚の前で商品を握りつぶす映像である。
「2月末から、SNS上では“ヤバいヤツがいる”と話題だったのですが、騒動の発端となったのは、3月1日午後、あるXユーザーの《インスタに流れてきたけどマジで笑えない》として動画を紹介したポストです。
男性と思しき人物が、棚に並んでいる山崎製パンの『まるごと苺』という商品を手に取ると、力を込めて何度もギュッと握り、完全に押しつぶして棚に戻す様子を撮影した内容で、投稿されるやいなや《許せない》《酷すぎる》などと批判が殺到。このユーザーの投稿は1900万回以上表示されるなど大きな話題となりました」(WEBメディア編集者)
元動画はインスタグラムの「にぎる君」というアカウントで投稿されたもの。プロフィールには「こぶしを握りしめる これやって生活してます」という文字が並び、『まるごと苺』以外にもネギトロ巻きなどを握りつぶす動画がアップされていた。また、同一人物が更新していると思しき別アカウントの発信でも、バウムクーヘンやサンドイッチなどを握りつぶす様子を投稿。
このことが複数のメディアで取り上げられるなど大きな波紋を広げた結果、現在は両アカウントとも削除されているが、ネット上の犯罪にも詳しいIT系メディアライターは「ただの承認欲求を得るための迷惑行為ではない」と指摘する。いったいどういうことか。
■投資ビジネスへの誘導なのは明らか
前出のIT系メディアライターは話す。
「まず、『にぎる君』が保有していたと思われる2つのアカウントをAとBだとすると、Aのアカウントのトップに固定されていたのは、スマホの口座残高の画面。残高は1380万円を超えていることが強調されています。
またAもBもプロフィール欄には、自称“元夜職”とあり、“スマホポチポチ”により“月収300万”を稼ぐというアカウント・Cへのリンクが貼られていました。Cでは“1分で4万円ゲットしたよ”など、短時間で大金を稼ぐような報告が投稿されていることから、『にぎる君』の両アカウントが投資ビジネスへの誘導であることは明らかです。“迷惑系の動画”は、バズらせてアカウント・Cに誘導させるための“導線”にすぎないのでしょう」
「にぎる君」は自身を“50代ニート”だとし、深夜に徘徊していることや、投資で儲けているような主旨の発言もしており、トレード状況をスマホに表示させた投稿もあったという。前出のライターは「総合すると、スマホ投資ビジネスへの勧誘なのでは」と分析する。
それにしても、迷惑行為とスマホ投資ビジネスにどういう関係があるのか。
「迷惑行為動画は炎上するため、言ってみれば最も簡単にSNSで注目を集められるもの。そこから、投資ビジネスに誘導できるというわけです。
当然迷惑行為は犯罪であり、処罰の対象になり得ますが、先日も在日中国人女性を名乗るアカウントが、スーパーで売られている野菜を乱暴に扱ったり握りつぶしたりする動画を現地のSNS上に投稿。
スーパーの野菜コーナーで動画を回しながら大根の葉を掴んでレビューしたかと思えば、投げ捨てて戻すという行為などを発信していました。こちらが日本のXで拡散され、《うわ、酷いなぁ》《買わないなら触るな》などと大きな物議をかもしていましたね」(前同)
SNS時代にエスカレートする迷惑行為。厳正な処罰が求められる。