3月11日、東京都新宿区の路上で生配信をしていた20代の女性ライバーが、男に刃物で刺され亡くなるという痛ましい事件が起こった。

 亡くなった佐藤愛里さん(22)は「最上あい」という名前で動画配信アプリ「ふわっち」で活動しており、事件当日はJR山手線を徒歩で一周するという企画を行なっていた。そこへ、生配信をしていることを事前に知っていた高野健一容疑者(42)が、動画を見て居場所のあたりをつけ、犯行に至ったとされる。

 2人の間には金銭トラブルがあり、高野容疑者は、消費者金融から借金をして佐藤さんに200万を超える金額を貸すも、返済がなかったため犯行を決心したと供述しているという。

 生配信中の殺人事件――これを受けて、かつてYouTubeで配信者をプロデュースしていたという女性からはこんなトラブルの実態を聞くことができた。

「私がやっていたのは2年ほど前のことです。トラブルになった生配信の内容は、『美女が夜の銀座コリドー街を歩いていたらナンパされるのか?』という企画。配信者を東京・銀座のコリドー街の路上に立たせてYouTubeの生配信をしていたんです」

 コリドー街は、銀座駅や新橋駅から程近い飲食店街で、夜になると若い男女で溢れかえっている場所だ。

「ほどなくすると、視聴していたファンの男性が現場に駆けつけて来て、配信者に突然、“いつも見てるよ。今日もいやらしい格好してるね”と声をかけ、抱きつこうとしてきたんです。その時は、マネジャーの代わりもしていた私がそばにいたのですぐに配信を止めさせ、大きな被害には至りませんでしたが、もし配信者一人だったら……思わずゾッとしましたね。

 ファンが現場に来れた理由は、配信のタイトルに【銀座コリドー街を歩いていたら~】と入っていたからですね。それに、その場で40分ほど生配信をしていたので、始まってからでも来れちゃいますよね……」(前同)