■令和ならではの『まどか26歳』

 また《すごい手術とか治療法とかじゃなく、研修医を中心としながら、いろんな立場の人の心の部分を描いてる》という指摘もあったが、たしかに本作では、最先端の手術も超絶な技術を持つスーパードクターも登場しない。ひたすらに研修医、指導医たちの姿を丁寧に描き続けた。医療ドラマとしては一見、地味に見えるが、そこが共感を呼んだのだろう。

 しかも、それぞれの距離感や仕事への取り組み方を、令和の医療現場にちゃんと寄せてきている。角田を演じる奥田瑛二も『TVガイド』のインタビューで、「今は現代の良いものを取り入れ、新しい時代に適応しながら共に生きていくことが大切。そんな姿勢を示している本作はとても面白いです」と、『まどか26歳』の魅力を語っている。

 本作の原作クレジットには、水谷氏の同名コミックエッセイとともに『離島で研修医やってきました。』も入ってる。ドラマの第9話では、菅野が離島に行く流れになっているが、膵臓がんの手術を受けた角田が引退して菅野が残留。まどかが代わりに離島に行くラストも十分に考えられる。そうなるとスペシャルドラマ、あるいは続編で離島編が描かれるかもしれない。

 医療ドラマとしては異色ながら、画期的な良作だった本作。X上でも《これで最終回迎えると続きがありそうな終わり方になると思うのね。来年の1月とかにスペシャルとかにならない?》《10話でぜーったいまどかちゃんと菅野先生結ばれてください。結ばれないのであればシーズン2をお願いします》などの声がある。続編に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。