■柳葉敏郎は映画『室井慎次』出演を断わっていたが…
そんないしださんの遺作となった映画『室井慎次』だが、撮影場所を提供した男性は訃報を受け、『ABS秋田放送』に撮影秘話を語っている。そこではスタッフから「主演の柳葉敏郎さんがデビュー当時憧れていた人、ということで出演をオファーした(と聞いた)」と、いしださんの出演は主演の柳葉たっての希望だったことを明らかにしている。
「柳葉さんは、いしださんと共演できて本当に嬉しかったんでしょうね。2024年6月に自身のインスタグラムで《至福の時間でした》《また一緒にお仕事して下さい》と、いしださんとのツーショット写真を添えて投稿しています。
いしださんが同作のオファーを受けてくれたことも、柳葉さんが『踊る』シリーズ12年ぶりの復活作『室井慎次』を引き受けた大きな要因だったのかもしれませんね」(芸能プロ関係者)
『踊る』シリーズを手掛ける亀山千広プロデューサー(BSフジ代表取締役社長)は、24年9月末にXスペースにて生配信された『喋る大捜査線2024』にて、「柳葉さんと室井は全くの別人格で、(役に)入ってしまったらそこから抜け出せない。だから今回、2度ばかし(室井を再び演じることは)やれないと断られていたんです」とコメント。
プロットを渡した後も「“本気でやるの?”と言われて、その時もいい返事はもらえなかった」と明かしている。理由は柳葉にとって“室井慎次”は超えなきゃいけない役であり、大事にしなきゃいけない役である、という葛藤があったからだというが、《3回目に会った時にようやくやる気が出て、そこから一気にうまくいきました》と、3度目のオファーでようやく柳葉が引き受けてくれたことを説明している。
「1997年にフジテレビの連続ドラマとしてスタートした『踊る』シリーズは2012年公開の『THE FINAL 新たなる希望』で完結していて、もう続編は無いと見られていました。
しかし、当初はスペシャルドラマを想定していたとされる『室井慎次』は2部作映画となり、合計興行収入35.9億円と大成功。後編『生き続ける者』のラストには、織田さん演じる青島俊作もサプライズで登場し、後に新作映画『踊る大捜査線 N.E.W.』が2026年に公開予定と発表されるなど、本格的にシリーズが再始動している感じです。
そう考えると、いしださんが『室井慎次』に出演したことが、結果的に『踊る』シリーズの本格復活につながったとも言えそうですよね。そして、同作でいしださんがみせてくれた素晴らしい演技は、ずっと語り継がれていくものでしょうね」(前同)
図らずも、大人気シリーズ復活に影響を与えたかもしれないいしださん。あらためてご冥福をお祈りします。