■資格取得までに要する期間、その後の収入は?
「登録日本語教員」の資格を取得するには、4年制大学の卒業(学士号の取得)が条件で、さらに文化庁が定める指針では、420時間以上の受講が必要とされています。1日2時間勉強したとして約7か月。スクールによっては、午前と午後を通して受講するスタイルで、3か月で修了を目指せるコースもあります。有効期限がないのが特徴で、英語などの語学力がなくても試験を受けることができるため、これまで語学力を理由に諦めていた人にも門戸が開かれています。
気になる収入面ですが、日本語教師は「その他の学校等教員」に分類され、令和5年の厚生労働省の統計によると、全国平均年収は約483.5万円となっています。ですが、40代、50代から資格取得を目指す場合は、「本業」というよりも、初期投資の少ないオンラインレッスンでの日本語教員として働く「副業」を念頭に置いていたり、専業主婦から「社会復帰の一環」という目的に魅力を感じている人が多いようです。
「資格を取ることは、単なるスキルの証明ではなく、人生の選択肢を広げる手段でもあり、特に40代、50代には仕事を続けながらでも取得しやすい資格が求められています。日本語教員は自宅にいながらでも仕事ができるため、家族との時間を大切にしながら収入を得られるのが大きなメリット。
日本語を教えることで異文化交流ができるため、単なる仕事ではなく、自分自身の視野を広げるきっかけにもなります」(教育系WEBサイト編集者)
日本語教員は国内外での需要が高まっており、中高年でも挑戦しやすい資格のひとつ。取得できれば人生の後半戦において大きな武器になり、そのことで得られる自信や達成感は、仕事だけでなく生活全般にも良い影響を与えるはず。興味を持った方は、自分らしいキャリアを築くために一考してみてはどうでしょうか。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。