■300平米の部屋を買うのは……
それにしても、そんな“体育館”のような300平米の部屋を売るとしたら、いったいどういった層に、いくらくらいで売れるのか。都内の不動産売買を手掛ける業者に話を聞いた。
「いわゆる一般の日本人には、そのままの状態だと住むにも事務所にするにも広すぎるので、売却を想定する相手は経営者や富裕層、芸能人といった層になってくるでしょう。2部屋をつなげた特殊な物件なので、どうしても売り先候補は少なくなる。可能性として、中国など海外の資産家ならあり得るかもしれません。今は円安で、彼らにとっては日本の高級物件は“買い”ですからね」(不動産業者)
投資目的としての購入可能性はどうか。
「大型の投資目的としては、新築の一棟売りマンションのほうが関心が高く、築10年以上の一部屋というのは厳しいかもしれません。ただ中国系の方は“上層階”であるとか、“広い”という条件は好きなので、食いつく中国人客がいないとも限りません。どうしても買い手がつかなかったら、もう一度リフォームをし直して2部屋に戻し、別々に売却するという方法もあると思います」(前同)
現在、東京の不動産価格はどんどん高騰していっている。別の不動産業者は、
「場所や広さによりますが、都内一等地のタワマン価格は10年前のおよそ2~3倍にまで上がっています。リフォーム代金も含まれているのでしょうからなんとも言えませんが、仮に10年前の購入時が10億円近いのであれば、今なら20億円超えで売りに出してもおかしくないですね」
と、もし買い手がつけば高額で売り抜けられるという見方を示す。ちなみに“トラブル”があったとされる部屋だという情報については、
「業者のほうから積極的に開示することはありません。ただ中古マンションを買う人は、多くの場合売却理由を尋ねます。あくまでも質問があれば、業者側も回答するというスタンスです」(前同)
とのこと。
「ただ、こうした特別な物件は、水面下で動かすブローカーがいることも多いんです。間に何社も挟むなどして売却先を探すんですよね。もしかすると、思いがけない需要があるかもしれませんから……」(同)
中居氏はかつて「体育館みたい」と語っていた部屋から、もうすぐ離れることになるようだ――。