■管理栄養士はそこまで重要な要素ではなかったか

「管理栄養士を軽んじている新キャラ・外科医の井上との衝突が描かれるうえ、今回は名前のみ出てきた“新理事長”もおそらく登場を控えている。新理事長は管理栄養士である結にとって最後の試練であり、“ラスボス”のような存在として描かれそうですよね。

 ただ、残り4話というタイミングで新キャラが出てきて、さらにラスボスまで出てきそうと……これはさすがに、かなり駆け足になってしまうのは目に見えていますよね。以前からストーリーの“ダイジェスト感”が批判されていた『おむすび』ですが、最終週まで超ダイジェストで終わってしまいそうですね……」(テレビ誌編集者)

 これまで『おむすび』では、主人公の結が管理栄養士を目指すにあたり猛勉強して合格する過程があっさりとナレーションで処理されたばかりか、「病院・管理栄養士編」はいきなり勤務4年目からスタート。その後もコロナ禍が1週間で終わったり、最終週の時点で勤務10年目まで話が進んでいたりと、かなりの駆け足で物語が展開している。

 そして今回の最終週とは思えない内容に加えて、“患者の治療方針で主人公と医師が対立する”というこれまで何度も見てきたような展開のため、視聴者からは、

《意見の対立、というのはどこでも起きるもの。この朝ドラでは結側と意見の合わない側を悪者に見せる演出をする。何度も》
《今更井上みたいなキャラ出してどうするの?あと4回なのにこの先生との確執回収出来るの?そして管理栄養士としては不満だろうが井上の言ってることは間違ってはない。確かに食事の栄養で体力つけた方がいいのかもしれないけど、食べられない人にそこまで強要するのは酷だ》
《最終週になってまた感じの悪い医者出してきてドタバタやるのかよなんの進歩もない》
《ワンパターンもいい加減にしてほしいしあと残り何日かでやることなのか??》

 といった不満の声が殺到しているのだ。

「風呂敷をきれいに畳むのは不可能そうな『おむすび』ですが、そもそもの話として、主人公の“管理栄養士”という要素は深く掘り下げるメインテーマではなかった、というところがありそうです。

 主題はあくまでも、ずっと描かれてきた“ギャル文化”や、道中で描かれた阪神・淡路大震災や東日本大震災、コロナ禍といった平成・令和を象徴する出来事など。そして、結と、結の姉・歩(仲里依紗/35)や両親など米田家――家族の物語を描くことだったのではないでしょうか。

 だからこそ、栄養士の物語はそこまでしっかりと描かれなかったし、新キャラの井上やラスボスとなりそうな新理事長との対決も、駆け足のダイジェストで、ということになるのではないでしょうか」(前同)

『おむすび』の脚本家・根本ノンジ氏は3月23日配信の『まいどなニュース』で、平凡な1人の女性である結がいろいろな経験や悩みを通じて少しずつ変わっていく、《誰もに起こりうるそうした“日常”》を大切にしたこと、同作の大きなテーマは《端的な言葉にするならば、『利他の心』》《自分よりも人のことを優先するという思い》だとコメント。そして、《困った人に何ができるかを問い続けてきた結、歩、聖人、愛子が、最終週でどういう決断をするのか》に注目してほしいと語っていた。

「朝ドラの定番、主人公が努力を重ね、強く大きくなっていく成長物語を想定して見ていた人が多いから、終盤でも《これ誰が主役のドラマ?》《結局『何がしたかったのか?』が全くわからない》といった声が多数上がっていたわけですが、『おむずび』は“定番朝ドラ”ではなかったということでしょう。ただ、そこのミスマッチが、史上ワースト視聴率が確定的な著しい視聴者離れを招いてしまったところがありそうですね」(同)

 思えば家族の物語としてはしっかり成立していた『おむすび』。どう風呂敷を畳むのか――。