■ヒントは『クジャクのダンス』の作品テーマ

 春夫の放火殺害を除き、現在の事件の真相は解明。残るは22年前の東賀山事件についてで、《1話見返してたら、冒頭で林川家の主人が首にヒモをかけた状態の映像あったの今知った。争ってる様子もなく、誰かにヒモをかけられてる感じでもないから、この人は自殺?じゃあこの主人が他の家族を……?》などと、考察が盛り上がっている。

 実行犯かどうかはわからないが、林川一家の殺害に京子(西田)が関わっていることはほぼ確定だろう。ただ、なぜ京子が罪を犯したかの、予想がつかない。怪しげな水の販売、1億円が入った通帳、夫・正(藤本隆宏/54)に自身の過去を隠していたことなど、怪しい要素が満載。犯行の動機が見えていないが、かなり理不尽なものになる可能性は高い。

 カギになるのは、本作のテーマの「親子の“愛と運命”が交錯する究極のヒューマンクライムサスペンス」だ。これまで、心麦(広瀬)と春生(リリー・フランキー)、松風(松山)と久世(篠井英介/66)、阿南(瀧内公美/35)と鳴川、力郎と友哉(成田凌/31)と、すべて父と子の関係で話がすすんできた。最後も父と子か? そうなると赤沢正と息子・守(野村康太/21)が事件真相のカギを握っているのでは?

 守役の野村康太は沢村一樹(57)の息子で、今、売出中の若手俳優。そのわりには、本作での登場シーンがあまりに少ないため、最後の最後でキーパーソンになる可能性は高い。事件当日、力郎は赤ん坊が2人いたかのような証言をしていた。ひょっとすると、それは歌(心麦)と守かも。この2人の関係が、京子の秘密に影響しているかもしれない。

 X上でも、《たぶん気にとめることでもないのかもしれんけど、相関図の山下親子、遠藤親子、鳴川親子は【親子】として線で繋がってるのに、赤沢親子は守との繋がりの線がないんよね。息子とは書いてあるけど。なんかあるんか…》などと、番組公式サイトの相関図から、正と守の関係に注目している人がいる。

 謎を多く振りまき、視聴者を迷宮にいざなった本作。原作コミックは2月に最終回を迎えているが、終盤にきて設定が原作と違ってきているそうで、原作ファンからは《圧倒的な面白さの第9話。原作とは違う展開だけど、原作の良さは壊していない。最終回、楽しみにしてる!》などと期待の声が。どんなラストを迎えるのか、注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。