■1個86円の揚げおにぎり
一方、低価格おにぎりで勝負している店も。『news every.』(日本テレビ系)で紹介されていたのは埼玉県川越市の唐揚げ店では、閉店後に余ったライスを活用し、一個86円の揚げおにぎりの販売を実現しているといいます。以前は50円で販売していたものの、物価高騰の影響でやむなく値上げ。それでもコンビニより安いと消費者に支持されているそう。
番組内のアンケート結果でも、消費者の意見は二極化。おにぎりは1つ150円前後を予算とする層と200円以上でも良い具材を使用しているなら購入したいという層がほぼ同数で、消費者の意識の変化が浮き彫りとなっています。
「二極化現象は弁当やスイーツなど他の食品市場にも影響を及ぼし始めていて、今後の食品業界全体のトレンドとなる可能性があります。例えば、スーパーマーケットの惣菜売り場でも、100円台のシンプルなおにぎりと500円の贅沢なデリカテッセンが共存する形になるかもしれません。消費者が“日常の節約とちょっとした贅沢”を組み合わせるスタイルが、食品業界の新たな潮流になると見ています」(生活情報サイト編集者)
ネット上でも《100円以下で買えた時代が懐かしい。もう自分で作るのが一番コスパ良い気がする》《おにぎり一個に400円も出すなら、定食を食べるかな》《専門店のおにぎりは別格! ふんわり握られていて、具材のクオリティも高い》《450円くらいならアリだと思う。コーヒー1杯だってそれくらいするし、ランチとして満足できるならむしろコスパが良い》など、捉え方はさまざま。86円と450円のおにぎり、あなたが買いたいのはどちらですか?
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。