寒い冬がようやく終わりを告げ、春を感じ始める今日この頃。ハンバーガーチェーン各社も期間限定商品を続々と発売し、春に彩りを添えている。
それにしても、なぜこの時期、期間限定の商品が発売されるのか。
流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリストで、多数のメディア出演している岩崎剛幸氏はこう語る。
「『今だけ、ここだけ、あなただけ』というキーワードを季節限定商品に加えることで、消費者の購買意欲が刺激されます。これは行動心理学的にも、人が動く大きな動機付けになるんです。
さらに、季節ごとの限定商品がきっかけとなって、他の商品も購入する、いわゆる“ついで買い”が促され、結果として店舗全体の売り上げ向上につながっているんです」
実は季節限定商品は海外のチェーンにはあまり存在しない日本独自の文化。その背景には季節の変化を敏感に感じる日本人の国民性が反映されていると、岩崎氏は語る。
「四季や旬を感じとり、過去からの流れを大切にする。これらは日本特有の文化の表れともいえ、消費者の心情にも刺さりやすいポイントなんです。特定の季節に食べた商品が再登場すると、お店や味を想起しやすく、結果として来店のきっかけにもなるんです。人の記憶に定着させ、定番化することで、売り上げの安定にもつながります」(前同)