日々、流行の最前線を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が転職市場の今を徹底分析。求人票で見かける定番文句は嘘だらけって知ってましたか?
転職市場において、「経験者歓迎」「年齢不問」といった求人票の文言を見かけることは少なくありません。しかし、40代・50代の転職希望者にとって、これらの言葉を鵜呑みにするのは非常に危険です。なぜなら、こうした表現の多くは企業側の都合による建前にすぎず、実際には若年層がターゲットとなっているケースが多いからです。
まず、多くの求人票に見られる「経験者優遇」という表現。
「これは、一見すると経験豊富な40代・50代に有利なように見えますが、実態としては“経験と若さの両方を兼ね備えた人材が欲しい”という意味を含んでいます。40代・50代向けの求人であれば『40代50代活躍中』といった具体的な表現が用いられることが多く、応募時には企業の過去の採用実績を確認することが重要です」(転職エージェント)
また、“マネージメント経験者歓迎”という言葉にも注意が必要です。この表現が示す本当の意味は、“管理職としての裁量権を持てる”というわけではなく、“責任の重い仕事を任されるが、決定権はなく、問題が起きれば責任を押し付けられる可能性が高い”という意味だそう。
頻繁に見かける“年齢不問”という言葉についても注意が必要だ。
「企業の採用活動では、法律上、年齢を理由に不採用にすることはできません。しかし、実際には企業が求める人物像が若手に偏っていることが多く、40代・50代の応募者が不採用になるケースが頻発しています。私たちも求人票を作成する際、企業側から“年齢制限はかけられないが、実際に採用したいのは30代まで”といった要望を受けることがよくあります。求職者には、単なる表記を信じるのではなく、企業の実態をよく調べることをおすすめします」(前同)