■視聴者が感じている不安点《豪華な役者さんたちは退場が早いのかぁ》

『あんぱん』序盤の視聴率の苦戦は『おむすび』の影響だけでなく、『めざましテレビ』(フジテレビ系)が3月31日から8時14分まで拡大されたことも影響しているかもしれない。

「今回の『めざまし』がそうですが、日本テレビでも『ZIP!』(平日5時50分~9時)を8時で終了させず、視聴者にチャンネルを変えさせない戦略を取っていますよね。

 各局の“朝ドラ対策”は進んできていますが、ただ、『おむすび』最終回は世帯12.5%で、『あんぱん』の初回は15.4%と2.9%増ですから、『おむすび』で離れた朝ドラファンは戻ってきている感じですよね。

『おむすび』の序盤は主人公の目的も見えてこず、山場もなかったため人気がありませんでしたが、『あんぱん』は登美子(松嶋)の“退場”などいきなりのドラマチック展開。次に何が起こるの? という期待感があるし、実際、視聴者からも“続きが見たい”という声は多い。これから、さらに数字を伸ばしていきそうです」(前出のテレビ誌編集者)

 まれに見る超豪華なキャスト、序盤からスピード感のある激動のストーリー展開、そして実話にもとづいた作品であること――3つの要素から“安心感”のある『あんぱん』だが、不安の声もあるようだ。

「1つは、強みである豪華キャストがデメリットになる可能性があることですね。つまり出演陣が売れっ子がゆえのスケジュール問題です。

 劇中では開始前に死亡している二宮さん、3話目で早くも子を捨てて去ってしまった松嶋さんなど、視聴者が大活躍を期待していたのに早々に退場してしまうキャラクターが多くなるのではないか、と。さすがに、『おむすび』で発生したような“スケジュールの都合で主役の出番が少ない”といったことはあり得ないでしょうが」(前同)

 視聴者からも、

《それにしても豪華キャスト。橋本環奈さん以上に全員のスケジュール管理が大変そうだ…》
《ニノと松嶋菜々子の出番少ないの、仮面ライダーで費用のかさむバイクやメカがフェイドアウトしてくのに近い趣がある》
《豪華な役者さんたちは退場が早いのかぁ》

 といった心配の声が上がっている。

「また、RADWIMPSの楽曲『賜物』をバックに流れるオープニング映像がなんとも微妙な評価となっています。もちろん好評もあるのですが、これまでの朝ドラのオープニングとは一線を画した映像と曲調のため賛否両論。『あんぱん』唯一の“荒れポイント”となっていますね」(同)

『あんぱん』のオープニング映像は、近未来のような空間を今田が“光る線”に導かれながら走る、サスペンスドラマのようなスタイリッシュなもの。そして楽曲も、スピード感あふれる独特のメロディラインなど、良くも悪くもRADWIMPSらしいものであるため、

《主題歌だけがイマイチだったな。歌詞が全然聴き取れないw 恐らく最終回の頃になっても口ずさむことすら不可能》
《歌詞が頭に入ってこないっていうか、聴こえてこない》
《あのOPはどうしたものかな。。やなせ先生のキャラでよかったろうに。手塚プロにでも頼んでさ》
《RADWIMPSに罪はないが時代が昭和初期のドラマに微塵も合ってなくてびっくり。ギャップがおもしろいだなんて視聴者全員がそんな事思うわけないだろ》
《これではMVに今田美桜が出てるだけ》

 といった厳しい声も多いのだ。

 極めて厳しい評価と数字になってしまった前作『おむすび』とは違う“安心感”と、一方で“不安点”も言われる『あんぱん』。とはいえ、まだドラマは始まったばかり。今田と北村が登場してからが本番だ。