もし乗り込んだ電車がガラガラだったら? あなたはどこの座席を選ぶだろうか。
「3月18 日、Yahoo!JAPANユーザーの男女2000人を対象に実施されたアンケートによると、9割近くが『端の席』、約7%が『座席には座らない』、約5%が『端以外の席』を選ぶという順になりました。特に考えずとも、端の席に座るという人が多いんです」(生活情報誌記者)
弊サイト記者が「電車内でどこに座るか」について、聞き込み取材してみても、さまざまな声が上がった。
「背もたれと壁に挟まれてなんとなく落ち着くので端の席派です。雨の日、壁に傘を引っかけられるのもありがたくて(笑)」(27歳女性・営業)
「辛そうにしている人には譲れよという無言の圧が嫌なので、極力立っていることにしています」(30歳男性・製造業)
「端は争奪戦になるし、お客さんの乗り降りが気になるので、選ぶのは真ん中。その中でも、人がいる席から1つ飛ばして座ることがほとんどです」(41歳女性・事務)
誰しも、他の座席が空いているのにわざわざ隣に座られ、嫌悪感を抱いた経験があるだろう。
「“トナラー”という言葉があるように、人は座る場所に自分のテリトリーを感じるものです。人と人の間に空席が生まれやすいのもこうしたテリトリーのぶつかり合いからです」(社会心理学者)
武蔵野大学名誉教授の小西啓史氏も電車の座席選びには“人と関わりたくない”という心理があると解説する。
「公共の場で知らない人と関わりたくない、という内向的な気持ちから誰かと隣り合うのを避けようとする傾向があります。
電車の端の席が好まれる理由も、壁に囲まれることで心理的にも物理的にも他者との接触を減らす“戦略”のひとつと考えられます」
この傾向は特に、都心の電車など「満員が予想される環境」で如実に見られると小西氏は言う。
では、満員電車に慣れない人や、外国人観光客などはどのような心境で乗車しているのか。