阿部寛(60)主演の連続ドラマ『キャスター』(TBS系/日曜よる9時)が、4月13日にスタートする。日曜劇場らしいクオリティが期待されるが、22年10月期放送の『エルピス-希望、あるいは災い-』(カンテレ制作、フジテレビ系/月曜よる10時)との“かぶり”がどうも気になる。
同ドラマは公共放送局で報道番組のキャスターを務めていた主人公・進藤壮一(阿部)が、民放テレビ局JBNの会長に引き抜かれ、視聴率低迷にあえぐ放送番組『ニュースゲート』のメインキャスターに就任したことから始まる物語。番組の総合演出・崎久保華を永野芽郁(25)、新米AD・本橋悠介を道枝駿佑(22)が演じる。
「テレビ局の報道番組を舞台に闇に葬られた真実を追及し悪を裁いていく社会派エンターテインメント」とうたっているが、多くの視聴者はこれを見て、長澤まさみ(37)主演で、脚本を渡辺あや氏、プロデューサーを佐野亜裕美氏が務めた話題作『エルピス』を思い浮かべるのではないか。
実際に起きた数件の冤罪事件をベースにしている『エルピス』は、報道番組のエースの座から転落した女性アナウンサーが主人公で、報道の自由、ジェンダーギャップなど、テレビ局内の問題に踏み込んだ社会派エンターテインメントで、第60回ギャラクシー賞テレビ部門大賞などさまざまな賞を受賞している。
2016年ごろ、TBS所属のプロデューサーだった佐野亜裕美氏が、渡辺あや氏とともに冤罪もののドラマの企画をスタートさせたが、同局では没になってしまう。その後、TBSを退社した佐野氏は、カンテレ(関西テレビ)の東京制作部に企画を持ち込み、「これは面白いから、やるべきだ」と高い評価を受けたという。