日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。実は今年は、数々の「定番商品」が100周年を迎えるメモリアルイヤーだった!
2025年、日本では“100歳”を迎える老舗ブランドがいくつも登場しています。変化の激しい現代社会において、なぜ今もなお広く愛され続けているのでしょうか。
まずは、日本の食文化に新風を吹き込んだ「キューピーマヨネーズ」。1925年、創業者・中島藤一郎氏がアメリカで食べたポテトサラダに感動し、日本にその味を持ち帰ったことが始まりとされています。
当時の日本では、調味料といえば醤油や味噌、酢が主流であり、生野菜を食べる文化もほとんど浸透していませんでした。そのため、発売当初はマヨネーズを整髪料と勘違いする人も多かったそうです。
しかし、徐々にその味が家庭に受け入れられ、ポテトサラダやサンドイッチなど、あらゆる料理に使われるようになりました。近年では、タイやインドネシアなどでも人気が高まり、日本製のマヨネーズが現地で大ヒット。逆輸入されるケースまで見られるほどです。
乳業の分野では「雪印メグミルク」も100周年を迎えました。4月からは「100年のありがとうキャンペーン」がスタートし、AR搾乳体験や北海道酪農体験ツアーなどが当たるイベントを実施。現在の102グラムの「6Pチーズ」を発売当時の厚さに変える170グラムの復刻版も発売されるそう。
「お客様とのつながりを深める」という創業以来の理念は、宅配、学校給食、小売すべてのチャネルに息づいています。時代に応じて形を変えながらも、“なじみの味”として日本の食卓に寄り添い続けているブランドです。