■食事中は“あの動物”に要注意

 続くおすすめ駅弁は、広島県JR宮島口駅が最寄り、うえのの『あなごめし弁当』(2700円)。創業の明治34年から123年受け継がれた秘伝のタレで焼き上げられたアナゴは絶品だ。

『あなごめし弁当』(2700円=税込、写真・櫻井寛)

「味も形も大きさも創業当時のままの蒲焼き。旨味がご飯に馴染んで“なれる”のを待てばさらにおいしくなります。社長談では、出来立てから2時間後がおすすめなんだとか。

 おすすめの車窓は瀬戸内海ですが、駅弁は連絡船で安芸の宮島に渡ってから、海岸でいただくくのもオツでしょう。

 ただし、鹿にはお気をつけて。彼らはあなご飯の旨さを知っていますから……」

 最後は三重県JR松阪駅で購入できる、あら竹商店の『匠の技 松阪牛物語』。一生に一度は食べたい、憧れの松阪牛が120グラムとぎっしり。お腹も心も満たされること間違いなしだ。

『匠の技 松阪牛物語』(4200円、写真・櫻井寛)

「老舗駅弁店が提供する、松阪牛証明書付きの日本一豪華な加熱式駅弁です。左横の黄色い紐を引き抜けば加熱がスタートし、およそ8分でホッカホカに。ご飯、松阪牛、青菜、人参、椎茸、生姜の最高の美味しさを引き立てます。あとは、お好みで添付の粗挽き黒胡椒をかけて、松阪牛をガブリといただきます!

 なお、僕のおすすめの車窓は伊勢湾です」

 ご紹介した駅弁たちは、どれも予約必須、または予約しないと長蛇の列に並ぶ可能性大なのでご注意を。

 ちょっとリッチな駅弁に舌鼓を打ちつつ車窓を眺めて、旅情を味わってみてはいかがでしょうか?

鉄道フォトジャーナリスト・櫻井寛
1954年、長野県生まれ。駅弁を通算6000食以上食べた“駅弁マニア”でもある。連載中の漫画『新・駅弁ひとり旅~撮り鉄・菜々編~』などの監修も務める