■“二宮和也”は亡くなっていて、“松嶋菜々子”も退場、“加瀬亮”も死亡――

 今田主演の『あんぱん』と橋本主演の『おむすび』の大きな差のワケ――1つは、朝ドラとして王道の構成か否か、というのが挙げられそうだ。

「『おむすび』はいきなり主人公が高校1年生の場面からスタートしたうえ、完全オリジナルの現代劇のため、その後の展開が見えてこないところがありました。

 一方で、『あんぱん』は主人公にモデルがいることに加えて、第2週まで子役による幼少期編をじっくりと描いたことで、キャラクターの成長がよく伝わり、視聴者も感情移入がしやすかったですよね。また、今田さんと北村さんのメイン2人の本格登場が先になり、満を持して2人が登場した第3週が盛り上がった、ということも言えそうです」(前出のテレビ誌編集者)

 また、『おむすび』と比べると序盤から物語がダイナミックに動いていることも、視聴者を飽きさせていないという。

「『おむすび』の特に序盤は、良くも悪くも“何の変哲もない女子高生の日常”という感じで山場がほとんどありませんでしたが、『あんぱん』は違います。

『あんぱん』では、開始時点で嵩(北村)の父・清(二宮和也/41)が亡くなっていて、母・登美子(松嶋菜々子/51)が再婚を決めて息子を捨てて出て行ってしまったり、主人公・のぶ(今田)の父・結太郎(加瀬亮/50)が急逝したりと、第2週までに多くの“喪失”が描かれ、まさに激動。幼少期の時点で、次回がどうなるんだというハラハラ感がありましたよね」(前同)

 また、『あんぱん』では俳優陣の超豪華ぶりも指摘されているという。

「もちろん『おむすび』の俳優陣が弱かったとは言いません。主人公・結は大人気タレントの橋本さんですし、人気俳優や期待の20代俳優も多く出ていました」(同)

『おむすび』では結の両親役に北村有起哉(50)と麻生久美子(46)、祖父母役には松平健(71)と宮崎美子(66)が出演していた。

 20代俳優では、後に結の夫になる佐野勇斗(27)、友人役としてみりちゃむ(大木美里亜/22)や菅生新樹(25)が出演していた。なお、仲里依紗(35)演じる結の姉・歩は視聴者人気も高く、最後まで活躍する重要キャラだったが、第3週の時点では顔見せ程度にしか登場していなかった。

「『おむすび』も松平さんなど一流俳優が出演していましたが、『あんぱん』はさらに上回っていて、序盤から民放ドラマではあり得ないような超豪華キャストが集結しています」(同)