■元キー局Pの分析
SixTONESの冠番組『GOスト』の今後を左右する重要なポイントはなんなのか――元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏は、「重要なのは、いかに幅広い視聴者を取り込めるかです」と話す。
「ゲームバラエティ番組は若年層には刺さりやすいですが、『GOスト』の放送時間である日曜夜、若いターゲット層はまだ帰宅してない人もいますよね。そこで、お年寄り、おじさん、おばさんがどれだけ番組を見てくれるかが重要になってくるんです」(鎮目氏、以下同)
本来のターゲットである若い世代だけ意識しすぎると、かえって失敗してしまうという。
「従来の“お客さん”である一定層以外に見てもらえる工夫をしないと、数字は下がってしまうんです。日曜日の夜、シニア層はテレビの前にいてくれますので、やはり番組の内容は幅広い層に刺さる企画の方が良いですね」
さらに鎮目氏は「企画以外では、ゲスト選びも重要です」と言い、こう続ける。
「ゲストがどの年齢層に刺さるか工夫しないと、幅広い視聴者には興味を持ってもらえません。ここでも若年層だけをターゲティングして、そこに刺さるようにだけを意識しすぎると失敗すると思います。日曜夜9時台にテレビを見ている、やはり少し上の年齢層を取り込めるかが重要ですね」
視聴者からは嵐の人気番組『嵐にしやがれ』(日本テレビ系/10年4月~20年末)を連想する声もある『GOスト』。『嵐にしやがれ』は10年近く続き、グループは国民的な存在にまで上り詰めたが、果たしてSixTONESは――。
鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)