流行の最先端を日々、研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。今回は、そんな戸田氏が「賞味期限」のガイドライン変更を徹底解説!

 食べ物の「賞味期限」や「消費期限」というワードはよく見かけますが、その違いや決め方を知らない人も多いのではないでしょうか。

 こうした中、消費者庁は3月28日にガイドラインを見直し、新たな方針を打ち出しました。背景には食品ロスの深刻化があり、「まだ食べられるのに捨てられる食品」を減らすことが狙いです。

 消費期限は「安全に食べられる期限」、賞味期限は「美味しく食べられる期限」です。注意が必要なのは消費期限のほうで、ノロウイルスなど目に見えないリスクもあるため、期限を過ぎた食品の摂取は避けたほうが無難。一方で賞味期限については保存状態が良ければ問題ないケースもあります。

 賞味期限は企業が試験を重ねて品質が維持される期間を算出し、それに安全係数を掛けて設定(国は0.8以上を推奨)しています。美味しく食べられる日数が100日であれば、賞味期限は80日となるのですが、企業はそれよりも短めに設定する傾向があり、本来食べられる食品の多くが廃棄されてしまう実態があるようです。

 そこで、消費者庁は安全係数を1に近づけるよう促し、科学的根拠に基づいた現実的な期限設定を求めました。この改定で誤解による廃棄が減り、家庭の食品ロス削減も期待されています。