■フジの“朝ドラ対策”も影響

 また、『あんぱん』の数字が思うように伸びない背景には、今年度から裏番組の放送時間が変更された影響も指摘されている。

「フジテレビの朝の看板番組『めざましテレビ』の存在が『あんぱん』の視聴率に影響を与えているともっぱらです。

 かねてより各局の朝の情報番組には“朝ドラ対策”なる言葉がありますが、伊藤利尋アナ(52)、生田竜聖アナ(36)、井上清華アナ(30)がMCを務める『めざましテレビ』は今年度から放送枠を拡大して朝ドラの時間帯まで放送することで、視聴者にチャンネルを変えさせない“対策”を図っています」(前出のテレビ誌編集者)

 今年3月28日までは、『めざましテレビ』の第2部は8時に終了し、『めざまし8』が放送される、という流れだった。

 しかし、同月31日から『めざましテレビ』は8時14分終了となり、そこから新番組『サン!シャイン』につなげる形に。『めざましテレビ』が朝ドラの放送中にも続くことで、視聴者がチャンネルを変えるのを阻止する狙いがあると見られている。

 そんなフジの“朝ドラ対策”の効果は数字から読み取れる。放送時間変更前の3月28日、『めざましテレビ』の世帯視聴率は7.3%だったが、朝ドラ『おむすび』と同時刻から放送される『めざまし8』は世帯3.4%と、大幅に数字を落としていた。

 一方で時間帯変更後の4月18日の『めざましテレビ』は、8時までは世帯7.6%。朝ドラ『あんぱん』の放送中は世帯5.2%と、以前よりも大幅に数字が改善されているのだ。

「史実を考えると、今後の『あんぱん』は第二次世界大戦やそこでの辛い別れなど、今後ますますハードな展開になっていくはず。それに伴って“しんどい”と視聴を止めてしまう人が出てくる可能性が考えられます。

『あんぱん』はキャスト陣の豪華さ、“王道の朝ドラ”を感じさせる物語と序盤のドラマチックな展開で視聴者を楽しませていますが、他局の対策も進み、なかなか高視聴率を上げるのは難しくなってきているようです」(前同)

 ここにきてSNSでは、

《のぶちゃんが進学して、時代的に正しいとされていた行為としても、先輩から後輩への理不尽な行いがとにかく嫌悪感を抱く対象なので、ここから見続けるか微妙》
《のぶの学校パートしんどいな。あんまりやらないでほしいけどヒロインだからなぁ》 

 など、離脱宣言をする視聴者も出ている『あんぱん』。ここから、前々作『虎に翼』に迫るような人気を獲得できるだろうか――。