■“黒い福原遥”が見られる?
花魁・瀬川として、見事な演技で自身を本格派俳優へと格上げした小芝風花。花魁・誰袖を演じる福原遥も小芝と同じく明るい清純派のイメージが強く、蔦重を慕いながら大金で身請けされる役柄とあって、2人を重ねて見る人も多い。しかし、誰袖は瀬川とかなり違うキャラになりそうだ。
それは、福原が番組公式サイトで誰袖について、「かわいらしいだけじゃない強烈なキャラクター」で、「花魁として苦労して、それを乗り越えてきたからの強さ」があるとコメントしているため。今でこそ明るくキャピキャピしている誰袖だが、芯は強いキャラのようで、蔦重べったりの姿はこの先、豹変する前フリかもしれない。
史実によると、吉原を代表する花魁となった誰袖を身請けするのは、老中・田沼意次(渡辺謙/65)の“懐刀”ともいえる勘定組頭を務めていた幕臣・土山宗次郎(栁俊太郎/33)。やがて意次が失脚し、土山も大事件の不正に関わる疑いで窮地に追いやられるが、その後、誰袖がどうなったかは定かではない。
身請け相手によって人生を揺るがされるのは瀬川と同じようだが、蔦重との純愛関係など、誰袖が瀬川と同じパターンを繰り返すとは考えにくい。誰袖はけっこう腹黒いキャラで、日本橋進出を目指す蔦重をよそに涙を武器に幕臣を巧みに操るなど、今回見せたかわいらしい姿からは想像できない、暗躍する姿を見せるかもしれない。
小芝は、蔦重と鳥山検校(市原隼人/38)の2人に対する、瀬川の複雑な思いを表現して高評価を得た。福原も誰袖を演じることで清純派を脱し、これまでにないダークキャラでブレイクするかもしれない。今後の展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。