■岸井ゆきのと志尊淳のいちゃいちゃが強すぎか
もうひとつの『恋は闇』は、テレビ局の情報番組ディレクター・筒井万琴(岸井)と週刊誌のフリーライター・設楽浩暉(志尊)が、同じ事件を追う中で惹かれ合うことから始まる究極の恋愛ミステリー。岸井に志尊という演技派をそろえ、鉄板の考察系ミステリーとヒットが期待されたが、TVerのお気に入り登録数は51.3万で、『Dr.アシュラ』よりも伸び悩んでいる。
その原因が、恋愛とミステリーを融合させたドラマのはずが、明らかに恋愛要素が多すぎて、ミステリー要素が弱くなっていること。毎回のように、冒頭とラストに岸井と志尊のイチャイチャシーンが入るのだが、2人が演技達者なだけに、ミステリーの部分を吹き飛ばしてしまっている。物語の構成もどっちつかずな状態で、考察もいまひとつ盛り上がっていない。
最近は、ストレートな恋愛ものやミステリーは、ドラマ好きに飽きられつつある。そのため、恋愛とミステリーを融合させたのだろうが、そのバランスが悪いようだ。また、田中哲司(59)と西田尚美(55)という、“考察どんでん返し系”ドラマにおなじみのキャストも、意外性に欠けてドキドキ感がない。いっそ、恋愛に振り切ったほうが良かったのではないか。
とはいえ、『Dr.アシュラ』、『恋は闇』ともに、5月14日に放送されるのが第5話のため、中盤戦の盛り上がり次第では、まだ巻き返しが期待できる。どんな展開を見せてくれるか、注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。