流行の最先端を日々、研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。そんな戸田氏が注目するのは食料品などの値上げラッシュ。戸田氏によれば若者の間ではお金を一銭も使わない『ノーマネーデー』を設ける人もいるといいます。

 4月に入り、怒涛の値上げラッシュが始まりました。対象はなんと4200品目以上。特に目立つのが、ビール類や缶チューハイなどの一斉値上げです。この影響で、3月末には酒店に駆け込む客が続出し、ケース買いする人が列をなす光景も。知人の中にはビール専用の冷蔵庫を新調し、まるで自宅が小さな酒屋のようになった人もいます。こうした動きは、日常的な支出を見直すきっかけにもなっているようです。

 値上げの波は飲料だけに留まらず、生活インフラにも広がっています。たとえば埼玉県本庄市では、水道料金が平均40%引き上げられることになりました。とりわけ影響を受けるのが、ラーメン店などの飲食業で、毎日大量の水を使用するため、負担増は避けられません。これに食材の高騰も重なり、価格改定を検討せざるを得ない状況に追い込まれています。

 このような背景もあって、今、密かに注目を集めているのが『ノーマネーデー』です。その名の通り『お金を使わない日』を意図的に設ける節約術で、特に20〜30代の間で共感を呼び、SNSでも実践報告が目立つようになっています。《今月は出費が多かったから、今日は絶対ノーマネーデーにする》といったリアルな声も見受けられました。