■年金生活者の間でも広がる「ノーマネーデー」
ノーマネーデーのスタイルはさまざま。食費のみOKにしてそれ以外をゼロにする人、自宅にあるもので食事を済ませ完全支出ゼロを目指す人など、それぞれの生活スタイルに合わせて工夫しています。SNS上でも平日は自然と出費が減るため、《休日に意識的にノーマネーデーを設定している》という声や、《土曜は散歩だけして過ごし、財布を持たずに家を出ます》というような実践例も増えています。
さらにノーマネーデーは応用され、『ノー外食デー』『ノーたばこデー』『ノー電車デー』などの派生型も登場。SNS上では《新宿から新大久保まで歩いたら20分。交通費が浮いて運動にもなった》という前向きなチャレンジも投稿されており、小さな節約の積み重ねが、今後の生活防衛につながると考える人が増えているようです。
節約志向の高まりは若者だけではありません。年金生活者もまた、物価高に直面しています。年金支給日に合わせたスーパーの特売日には、多くの高齢者が詰めかけ、少しでも節約を試みる姿が見られます。
「ノーマネーデーは単なる節約テクニックにとどまらず、自分の支出を見直すきっかけになります。“お金を使わない一日”を作ることで、普段何に無意識にお金を使っているのかを可視化できる。特に、今はサブスクや電子マネーの普及で気づかない出費が増えていますから、意識的に財布やスマホを使わない日を設けることで、無駄遣いに気づくチャンスになります。
最初はコンビニに寄らないとか、ランチを手作りするなど、無理のない小さな目標から始めると続けやすいですね。節約は我慢ではなく、自分自身への投資。楽しみながら続けることが何より大切ですし、これからはこうした柔軟な金銭感覚が生きていくうえで大きな武器になると感じています」(生活情報サイト編集者)
節約を単なる“我慢”から“ライフスタイル”へと変える流れは、確実に広がっています。未来の安心につながる小さな一歩を始めてみてはいかがでしょうか。
戸田蒼(とだ・あおい)
トレンド現象ウォッチャー。
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。