日々流行の最先端やニュースを追いかけるトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。そんな戸田氏が現在、注目するのは、「退職代行サービス」です。
春の訪れとともに、新社会人たちが一斉に社会への第一歩を踏み出しました。多くの若者が希望に胸を膨らませ、新たなスタートを切っている一方で、早くも“仕事を辞めたい”という声も上がり始めています。いま、そんな新社会人のあいだで急増しているのが「退職代行サービス」の利用です。
各報道番組でも話題になりましたが、都内のある代行業者によれば、入社からわずか3日間で寄せられた新卒社員からの退職依頼は前年同時期の倍以上。また、退職代行「モームリ」では1日約40件ペースで依頼が来ているそうです。
退職理由としては、「研修初日に“なんとなく雰囲気が合わない”と感じてしまいました」「入社前に聞いていた仕事と違っていた」というギャップや、「通勤がつらい」「制服が似合わなかった」「電話対応が苦手と気づいた」といった、従来なら“甘え”とされかねないような理由も。中には「飲み会やイベントが強制参加だった」「社訓をひたすら叫んだ」「廊下に呼ばれて、“舐めてんのか!”と言われた」という“昭和な”報告もあったといいます。
「現在は求人が多く売り手場の傾向が続いており、求人も多く、“辞めても次がある”と考える心理的ハードルは、従来よりも格段に下がっているのは確か。さらにSNSや情報の流通で“辞めてもなんとかなる”という感覚が共有されやすくなったことも影響しています」(人材派遣サービス関係者)